イタケーラが入植90年=日系クラブで300人が祝う

90周年を祝い乾杯!

90周年を祝い乾杯!

 サンパウロ市東部のイタケーラ植民地が入植90周年を迎え先月4日、同地のイタケーラ日系クラブで記念式典が行なわれた。在聖総領事館の関口ひとみ首席領事、飯星ワルテル、大田慶子両連邦下議、野村アウレリオサンパウロ市議、文協の山下譲二副会長らが来賓に訪れ、300人以上が節目を祝った。
 地元バンドによる両国国歌演奏で式典が開幕。日系クラブの中村エリオ理事長があいさつし、来賓も祝辞を送った。歴代理事長や在住者へ記念プラッカを贈呈。婦人部員らがケーキカットし、昼食に移ると、YOSAKOIソーランや和太鼓、日本舞踊などの余興が会場を盛り上げた。
 1925年に始まる同地の入植は、サンパウロ市近郊農業の先駆けとして発展。戦前からトマトやイチゴを栽培し、戦後には「桃の里」(Terra de Pessego)として全国に知られた。最盛期には330家族が暮らしたが、都市化にともない人口が流出。現在は約200家族が暮らすという。
 鈴木康夫元理事長は「皆が果物や野菜を作っていた頃が懐かしい。今は小規模な花卉農家だけになった」と懐古し、「これからも文化活動、スポーツ、教育に力を注ぎ、サンパウロ市近郊の日系団体として貢献してほしい」と話した。