六段と聖歌の同時演奏会=700人が歴史的瞬間の証言者に

 【既報関連】『グレゴリオ聖歌と筝曲演奏会』が5日夜、サンパウロ市サンベント修道院で行われた。箏曲「六段」が同宗教歌「クレド」から生まれたものだという説を元に、実際に同時演奏するという試みで、ブラジル筝曲宮城道雄の会(長瀬令子会長)とサンパウロ・サンベント修道院が共催した。
 約700人の観客は荘厳な雰囲気の中見守り、12人の聖歌隊が美しく歌う中、長瀬会長と深田久子さんが甲高い音色を奏で、複雑な音が響いた。
 共演前には「アヴェ・マリア」や「春の海」といったそれぞれの代表曲が、最後には有名な同修道院のパイプオルガンが演奏された。多くの観客が立ち上がって感動の拍手を送り、歴史的な共演は幕を閉じた。
 長瀬会長は終演後興奮さめやらぬ中、「聖歌という今まで知らなかった世界に出会い、そしてそれに受け入れられて共演が実現しました。多くの方に来て頂き本当にありがたい」と誰よりも感動した面持ちで話した。
 会場を訪れたジョン・アマランテさん(45)は「美しく、素晴らしい演奏だった。日伯外交120周年ならでは試みだったのでは」と喜んだ。