PIPAから初の卒業生=1月から友好病院職員に

 援協が運営する自閉症児療育学級「青空学級」(PIPA、井上健治代表)に通う矢野顕人さん(17、二世)と佐伯ヒロシさん(18、三世)が同学級初の卒業生となり、来年1月から日伯友好病院の職員として就職することになった。
 2人は06年の開校当初から通学し、薬を使わないTVD(Terapia de Vida Diaria、日常生活療法)で、服を着替える、物を片付けるという日常的なことから、体育や音楽の時間を通し、社会的生活への準備を進めてきた。
 今月7日に「第11回発表会」が行なわれ、生徒24人の生徒が歌や踊りを披露した。特に前述の2人は太鼓の演奏や音楽に合わせてコップや手拍子でリズムをとる複雑な演奏を見事にこなし、喝采を浴びた。
 最後に援協の菊地義治会長や父兄が見守る中、井上代表から2人に卒業証書が手渡され、大きな拍手が送られた。
 顕人さんの母親の和美さん(42、石川)は、教室に通い始めてからの変化を「自分から行動できるようになり、生活のリズムが整ったことに大きな変化を感じている」と話す。休日には父親とマラソンをし、最近はテニスまで習い始めたという。
 JICAを通じて同学級を支援する社会福祉法人「トポスの会」の池田奈津世さんは、「2人を模範にして、各児童に合った方向で力を伸ばし、就職への準備を進めたい」と話した。
 同学級は、昨年サンパウロ州保健局から「医療施設」の認可を受け、SUS(統一医療保険システム)による利用が可能になった。受入れ可能人数を増やす準備が日々進められている。

自閉症専門家の平氏講演=「治療か教育か」12日

 自閉症治療専門家の平雅夫氏の講演会が12日、午後2時から援協5階神内ホール(Rua Fagundes, 121)で開催される。援協が運営する自閉症児療育学級「青空学級」(PIPA、井上健治代表)が主催。入場無料。ポ語通訳あり。
 テーマは「日本での経験―治療か教育か」。同氏は同学級の日本側の責任者を務め、支援を行う社会福祉法人「トポスの会」理事でもある。
 ここ数年、当地訪問を続けており、継続的に薬を使用しない「生活療法」の認知を進めている。問い合わせは同学級(11・2636・3894)まで。