記事に見る明るい言葉

 「1万部まで部数を伸ばしたい」。ミュンヘン五輪でブラジル柔道界初のメダリストとなった石井千秋さんの『ブラジル柔道のパイオニア』のポ語版出版会で関係者。これだけ柔道が盛んな国だけに、決して難しくはないだろう。リオ五輪も控え、メダルが期待されるジャンルだけに、戦後移民の活躍を多くの人に知ってほしい▼「コミュニティの再生拠点に」。ブラジルタウンで知られる群馬・大泉町で在日ブラジル人の施設建設計画があるようだ。様々な活動に加え、外国籍自児童のデイサービスなどの構想もあり、日本育ちの日系人に伝える資料館も備えたいという。関係者の思いにコロニアも寄り添いたい▼「自分の目で見ることができた」。兵庫県の農業リーダー研修への参加者。やはりこれが大事なのだと思う。おりしも県連代表者会議で「県費に限らない新たな研修制度を模索したい」と本橋幹久会長。県人会存続は、母県との人的交流あってこそ▼「改めて偉大さが分かった」。沖縄コミュニティに尽力してきた山城勇さんの米寿祝いに集まった450人を見て家族が漏らした。県人会活動に親子で尽力するケースはまれだ。ただ後年、父の姿を思い出す人は多いよう。こうした気づきが、次世代に伝わればと思う▼「安心して年を越せる」。岩手県人会のもち祭り。サンタカタリーナからの注文もあったとか。日本人にとって正月は気持ちの切り替えの節目。政治、経済、日々のニュースを見るたび、ため息が出る日々のなか、今後に繋がる言葉を拾ってみた。早くも忙しい師走。明るい言葉と来年への希望で残りわずかとなった2015年を過ごしたい。(剛)