紅白餅配布に長蛇の行列=大晦日恒例の餅つき祭り

 リベルダーデ商工会議所(ACAL、池崎博文会長)ほか、日系4団体主催の『第45回餅つきまつり』が昨年大晦日朝からリベルダーデ広場で行われた。
 無料で振舞われた2万袋の紅白餅を求めて、開始の午前8時を前に1時間程前から列ができた。遂には400メートル程度も伸び、イタウー銀行を過ぎたあたりで折り返しの列ができ、さらに同広場に辿りつきそう勢い。大晦日のサンパウロ市の風物詩として定着していることが伺われた。
 正午まで無料の雑煮、茅の輪くぐりや絵馬の販売も用意され、日系や非日系が一緒になって、正月に向けた準備を整えた。
 9時半から行われた開会式には池崎会長、中前隆博在聖総領事、文協、県連、援協、アリアンサほか日系諸団体の代表者が一堂に会した。太鼓の演奏で新年に向けた機運を高めた後、代表者から挨拶があった。
 その後、多くの見物客が集まる中、餅つきも行われた。ジルベルト・カサビ元サンパウロ市市長(現都市大臣)も出席、杵を振り上げ、広場には威勢のいいかけ声が響いた。
 一行は会館に移動、「移民送別の歌」「一月一日の歌」などを合唱した後に乾杯、婦人部手製の紅白の餅が入ったおめでたい雑煮を味わった。出汁の効いた品のいい味に、一人3杯も御代わりする人も。厨房は調理と食器洗いで、戦場さながらだった。
 同祭を支えているのは、ACAL婦人部やリズム体操会の皆さんだ。ラジオ体操会も会員50人で前日から一日中餅の袋詰め、当日も餅つきの準備に大忙しだった。鹿又信一会長(のぶかず、80、東京)は、「我々は毎朝この広場を使わせてもらっているから、誰よりも親しみがある。体操とは違う〃運動〃も、たまにはいいもの」と餅米のふかし具合を見つつ杵をふるい、真夏の大晦日にしたたる汗をぬぐった。