鳥取県人会コーラス=母県で夢のコンサート=会場号泣、県知事も駆けつけ

当日はブラジルが赤、日本が白の衣装で、偶然にも国旗を表すような形に

当日はブラジルが赤、日本が白の衣装で、偶然にも国旗を表すような形に

 鳥取県人会(本橋幹久会長)コーラス部の27人が『センター設立20周年事業』として、11月21日に母県を訪問、鳥取市内の施設で地元コーラスグループ「コールおもかげ」と交流コンサートを行なった。
 同部からは練習を重ねた6曲を披露、また当地から日本に楽譜を送ったポ語曲「Sambalele」や「花は咲く」を合同演奏し、最後は集まった150人の観客も一緒になって童謡「故郷」を歌い、感動の幕切れとなった。
 会場には平井伸治県知事はじめ、10月8日にサンパウロ市で行われた式典のため訪伯した県議らも出席。これまで築いた絆を一層確かなものとした。
 同部の小森田節子さんは「歌い終わった時、見渡すと自分も含め、メンバーも会場も皆涙をこぼしてたんです」と振り返る。7年間指導を続ける指揮者の大刀ミリアンさんも「皆で気持ちを一つにして、歌の方もレベルアップした」と喜びを語った。
 同交流コンサートはコーラス隊で県人会副会長の千田初美さんが、県費留学生中に築いた関係や13年に同県・県人会が実施する『中堅リーダー交流事業』で来伯し、当日も歌声を披露したソプラノ歌手の山尾純子さんの協力があって実現した。
 他にも訪日した中島リジアさん、伊勢島誠一さんが来社し、緊張した当日の心境と歌声を披露した喜びを語った。

 

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 今回の鳥取県人会の交流コンサートは「全員実費で訪日した」というから驚きだ。創立メンバーで数少ない男性メンバーの非日系ジュリオ・バロスさんは、時間や費用の面もあり、半ば訪日を諦めていたが、「どうしても行きたかった」と観光等を除いた〃弾丸旅程〃を決行。成田空港に着いたその足で鳥取に飛び、コンサート後もすぐ帰伯したとか。「舞台では緊張したけど、心の交流ができた」と満足気な様子。ロマンス・グレーの熟年白人の渋さゆえ、平均年齢73歳の地元「コールおもかげ」の皆さんからモテモテだったこともよい思い出だったか。