巨大プールは危険がいっぱい

 昨年末、サンパウロ市より北西に車で1時間、イトゥペヴァ市のプール遊園地に行く機会があった。波の出るプール、巨大な滑り台等、真夏のクリスマスを思い思いに楽しむ姿があった。
 でも安全対策に心もとない箇所が散見された。特に巨大滑り台に登る階段の柵が低いのに肝を冷やした。日本なら下に保護網が張られているのが普通だが、友人はお構い無しに嬉々として階段を登っていく。心配するどころか「日本ではこんなことある?」とグラつく階段のステップをわざと揺らして笑っている。
 頻発する「思いがけない事故」は、すでに誰かが危険だと気付いていた可能性が高い。楽観的過ぎるのか、「自分の仕事じゃない」と状況を放置しているうちに運の悪い人が事故に遭っているのではないか。
 「陽気でお祭り騒ぎが得意」なこの国に、あと少しの慎重さと公共心があれば――。(規)