第17回日本語セミナー=日語校生徒で共同生活=94人で本当の〃ふれあい〃

 ブラジル日本語センター(板垣勝秀理事長)が「第17回日本語ふれあいセミナー」を12日から4日間サンパウロ市の日教寺で行なった。グループに分かれ、ワークショップや劇の発表などをする共同生活を通じ、生徒たちの日本語でコミュニケーションをする機会を持たせることが目的。サンパウロ州はもちろん、遠方からはボリビアの日本語学校から11人も集まり、計94人が参加した。
 その一環として、14日には恒例の「馬場体操」を行なった。当初、リベルダーデ広場で行われる予定だったが、あいにくの雨に見舞われACAL会館に移動。
 馬場体操とは、軽快な音楽に合わせるラジオ体操やエアロビクスなどを組み合わせたセミナーの名物創作ダンス。最初は困惑気味だった生徒たちも、考案者の馬場康二さんが舞台に立って手本を見せると徐々に恥らいも薄れ、おそろいのTシャツに身を包みリズムにのっていった。
 特に大きな声を出して周りを盛り上げた塚原健吾くん(14、三世、モジ)は、「なんだか気持ちよかった」と仲間たちに囲まれながら笑顔。満生千恵さん(15、スザノ)も「ちょっと変っていて面白かった」と新鮮な表情を浮かべた。
 最終日には総括としてグループの代表者の感想発表が行われ、それぞれが新しい友達が出来たことへの喜びや、主催者への感謝の気持ちを伝えた。続く閉講式ではボリビア代表の伴井浩太くん(12、三世)が、「最初は友達ができるか心配だったが沢山できた。来年もボリビアからの参加者が集まるはずなので、よろしくお願いします」と挨拶。
 板垣理事長は、「インターネットでも交流ができる時代になったが、こういった活動こそが本当の〃ふれあい〃だということを忘れないでほしい」と生徒たちに語りかけた。
 最後は4日間お世話になったボランティアの先生も一緒になって、「世界に一つだけの花」を合唱し、日本語で「さよなら」と声を掛け合い、それぞれに抱擁。名残惜しそうに解散した。

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 本面「ふれあいセミナー」の記事原文を執筆したのは、サンパウロ市カンポリンポ区の日本人学校から職場体験研修に来た中学2年生の男子生徒二人だ。それに記者が手をいれて完成させた。研修先である他の職場には、政府系団体やレストランなど様々。日本人学校ではグアタパラ移住地の日本語学校との交流プログラムなどを行っているようだが、日系社会との交流は少ないとか。来年このセミナーに日本人学校全体で参加すれば、日系社会と触れ合う良いチャンスになるかも。