ジカ熱という「国際衛生緊急事態」でも、いつも通り?

 今年の初めにサンパウロ市のメトロが値上げになって以来駅の切符売り場の行列が長くなっているのは気のせいだろうか。「列が意外と短いな」と思ったら、最後尾は果てしなく伸びた先から戻ってきたのだと知り唖然とした。
 気が短いブラジル人だが、列に並ぶ時は案外大人しい。「切符売りなんてダラダラやるのが当たり前、俺だってテキパキやらないし」と要求のレベルが下がっているのか。
 翻訳記者として最近接しているニュースは国難レベルばかり。例えばジカ熱やデンギ撲滅は〃お仕事〃として保健所職員や軍隊に任せて早期解決できるのか。全国民の献身的協力なくして大丈夫なのか。
 五輪に影響ありそうなこの時期に「国際衛生緊急事態」とは国難では―と歯軋りしているのは真面目な外国人だけ? 「お仕事なんて真面目にやるだけ馬鹿を見る」の哲学もこの時だけは捨て去って欲しい。(規)