交流基金=「妖怪祭り」等の提案も=全伯日本語大学生研修

 国際交流基金サンパウロ日本文化センター(深沢陽所長)主催の「全伯大学生サンパウロ研修」が1月18日から5日間、サンパウロ市の同センターで行われた。日本語専攻、もしくは公開講座を受講中の学生が18人集まり、日本語を使いながら、茶道裏千家の茶会に参加したり、日語話者のボランティアとともに市街散策を行なった。
 大半が非日系で地域も北東伯フォルタレーザやナタル、南伯ポルト・アレグレと様々。大学生を対象とした日本語に関する行事としては他に例を見ない規模だ。1994年に専攻学生を対象にした「集中講座」という形式で始まり、内容を変えながら現在に至っている。
 最終日の22日には総括として、学生らが各グループに分かれて日伯の「相互理解を促進する文化イベント」についてプレゼンテーション。日本映画の上映会、和食のワークショップ等、特色ある発表が行われた。
 参加した北大河州連邦大学のジョゼ・ナシメントさん(23)は、2年前から同州立大の公開講座で学習を開始。学業の傍ら地元テレビのレポーターも務める。「今まで聞いたことの無い響きの言語に憧れた」といい、「いつかは日本でも今の仕事が出来たら」と夢を語った。
 リオ州立大学のヘナン・シルバさん(22)は、「日本語を専攻しているがこんなに話したことは初めて」。専攻したきっかけを聞くと「妖怪や怪談に興味があった」という珍しい理由で、立案したイベントも「妖怪祭り」という凝り具合だった。
 基金の松尾博貴副所長は、「今後の事業に参考にしたい力作が多かった」と総評を述べ、成果を喜んだ。