収容日系人ゆかりの品を=米博物館、来年特別展へ

 【ワシントン共同】第2次大戦中に米国で強制収容された日系人の歴史を伝える特別展の開催に向け、ワシントンのスミソニアン米歴史博物館がゆかりの品を寄せてほしいと呼び掛けを始めた。来年2月の開催を目指し「差別や偏見の教訓を現代の米国人に伝えたい」と訴えている。
 特別展は、強制収容に道を開いた大統領令から75年となるのに合わせて企画。米国では大統領選の共和党有力候補トランプ氏が移民やイスラム教徒に対する差別的な言動を続けており、排外的な風潮に一石を投じる取り組みとなりそうだ。
 ルーズベルト大統領が1942年に署名した「大統領令9066号」の原本を展示する予定。収容された日系人の日常生活が身近に感じられるよう、例えば収容所内で使用したスポーツ用品やおもちゃ、日系人が米国への忠誠を証明するために入隊した米軍部隊の制服を探しているという。
 祖母とアイダホ州の収容所生活を経験し、特別展に賛同している画家のロジャー・シモムラさん(76)は「(外国人テロリストなど)一部の人の問題を理由に、出自が似通った集団全体を非難するのは正しい米国の在り方ではない。大統領令が間違いだったことを知ってほしい」と話している。