県連=会長選挙で対抗シャッパか=本命は滋賀・山田康夫氏=秋田・川合氏擁立の動きも=来年は日本祭り20回目の節目

 次期県連会長の座は誰のもの?――ブラジル日本都道府県人会連合会(本橋幹久会長)は今月末の定期総会で、会長交代を控える。本橋現会長(鳥取)は1期2年の任期を終え退任する方向で、後任として山田康夫氏(滋賀)の就任が濃厚。ただ中沢宏一氏(宮城)らが中心となって、川合昭氏(秋田)の擁立を進めている。次期会長は来年20回の節目を迎える日本祭り、再来年の移民110周年祭の準備という重責を担う。

筆頭候補の山田氏

筆頭候補の山田氏

 本橋会長は園田昭憲氏(鹿児島)の後を受け、2014年3月に就任。高齢などを理由に、1期のみという条件で会長職を引き受けた。任期満了に伴い今月31日の定期総会にて、新会長が誕生する予定になっている。
 有力候補に挙がるのは山田氏だ。これまで務めてきた日本祭りの実行委員長を、市川利雄氏(富山)に引き継いだ。自身が会長職につく段取りを整えたと見られる。
 そこに待ったをかけたのが中沢氏。山田氏は滋賀県人会で大きな実績がないことなどを理由に、川合氏に白羽の矢を立て、南雲良治氏(新潟)も賛同した。さっそく17日午後には推薦理由の説明会を宮城県人会館で行なったが、集まったのはわずか数人・・・。

川合氏(中央)の出馬は? 中沢氏(右)が主導し推薦説明会が行なわれた(左は南雲氏)

川合氏(中央)の出馬は? 中沢氏(右)が主導し推薦説明会が行なわれた(左は南雲氏)

 中沢氏は「秋田の会館改修のため、県から2千万円以上の助成を得た実績」や「県連事務局の入り口に掲げてある麻生太郎氏による揮毫看板の実現」などを挙げる。「副総理で財務大臣の麻生さんなど、日本政界との繋がりを持つ人物。経験や実績を、会長として存分に発揮してほしい」と期待をかけている。
 マニフェスト(公約)として「県連創立50周年事業の成功」「日本祭りの財源確保と各県人会への還元」「日本からブラジルへ技術導入のパイプ役となること」「サンパウロ州政府との連携強化」を掲げた。
 当の本人は、「コロニアのトップは資金援助など目に見える結果が必要」としながら、「会長には誰がなっても構わない」と消極的な姿勢。シャッパ(候補者連記名簿)の12人を揃えて、立候補までこぎつける可能性は少なそうだ。
 対する山田氏は、先月からシャッパの準備を進めた。会長1、副会長7、書記2、会計2の計12人を揃え、正式受理を待つばかり。
 シャッパの締め切りは21日午後5時。仮に対抗シャッパが提出されれば、高橋一水(高知)、松尾治(福岡)両氏による06年以来、2度目の会長選となる。