県連総会=全会一致で山田新体制信任=役員の圧倒的多数は二世=今年は創立50年の節目=本橋氏、1期2年で勇退

 ブラジル日本都道府県人会連合会の第50回定期総会が先月31日午後、文協ビル内の県連会議室で行なわれた。本橋幹久氏(80、鳥取県)が1期2年で会長職を勇退し、山田康夫氏(65、滋賀県)の就任が決定した。今年50周年の節目を迎える県連の新役員は、会長こそ一世が引き継いだが、副会長以下は二世が圧倒的多数を占めた。

 本橋氏は「思い起こしてもこれといった功績はない」と前置きしながらも、「首相官邸に4度お願いに上がり、ようやく日本政府が日本祭りに参加してくれるようになった。自ら足を運び、働きかけることの大切さを思い知った」と振り返り、関係者に感謝を述べた。
 後任の山田氏は、滋賀県近江八幡市出身の65歳。71年に飛行機で工業移住し、NECの下請け企業で通信事業に従事した。16日の締め切りまでに山田氏のシャッパしか提出されなかったことから、挙手によって会長就任が信任された。
 山田新会長は「重い責任を感じる。まず7月の日本祭り成功が大切だ。役員には二世が多く、副会長で言えば島袋さんだけが一世。創立50周年を迎える県連の新しい姿を見せる良い機会になる」と決意表明した。
 なお2015年度の通常収入は約26万6千レ、支出約28万3千レ。今年の第19回分への前払い金を含む昨年の日本祭りの収支は、順に約341万レ、約323万レだった。16年度の通常収支23万6400レと30万4700レ、今年の日本祭りのみの収支は292万7千レと314万1千レで赤字を計上。
 今年度の事業として50周年式典を9月18日に予定。記念事業には、県人会活性化セミナーが企画されている。次回の第46回ふるさと巡りは訪問地を検討中。
 総会前に行なわれた3月度代表者会議では、日本祭りの議題も。本橋氏が先月上旬に訪日し、世耕弘成内閣官房副長官と面会した報告があった。「昨年は場所代として1750万円の支援があったが今年は金額、面積、内容は未定」とし、4月中に決まる見込み。
 県人会による郷土食広場は45の参加が決定。茨城と、創立式典を同月に控える新潟は見送りが濃厚となっている。
 2016―17年度の新執行部は次の通り(敬称略)。【会長】山田康夫【副会長】高田アルマンド陸男(長野県)、坂本アウグスト進(栃木県)、島袋栄喜(沖縄県)、森永正行ジェラルド(石川県)、高野ジョルジ(山梨県)、谷口ジョゼー(和歌山県)、市川利雄(富山県)【書記】田呂丸哲次(熊本県)、松村滋樹(鹿児島県)、川合昭(秋田県)【会計】菅原パウロ農夫男(香川県)、中矢伝(愛媛県)、四條玉田イウダ(大分県)【監査役】正=篠原俊巳(山形県)、西山実(佐賀県)、松下大谷瞳マルリ(兵庫県)、補=平崎靖之(広島県)、平山イナシオ秀夫(福岡県)、杉本教雄(静岡県)

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 県連の本橋幹久前会長は、自身と妻の健康状態を考慮し1期2年で退任。最後のあいさつでは、連合国軍最高司令官だったマッカーサーの引退演説から「老兵は死なず、ただ消えゆくのみ」という一節をもって勇退した。そういえば2年前の就任あいさつでは、ケネディ元米大統領の演説「国家(県連)に対して何を望むかよりも、自分が国家(県連)に何を奉仕できるかを考えるべき」から引用した言葉があった。最後は決まり文句である「弥栄!」で締めくくり。最後まで〃らしい〃本橋さんだった。