ルーラが遂に被告になる?

 連邦検察庁が遂に、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査妨害の容疑でルーラ前大統領を起訴した▼「遂に」と書いたのは、昨年末に捜査妨害で現行犯逮捕されたデウシジオ・アマラル上議が、ルーラ氏やジウマ大統領も様々な形で捜査妨害を試みたと供述したにも関わらず、現在に至るまで具体的な反応がなかったからだ。アマラル上議は生録音のせいで現行犯扱いされたが、前、現大統領に関しては、2月に同上議の司法取引が成立した後も何も動かなかった▼前大統領はサンパウロ州の高級アパートや別荘の件でサンパウロ州検察と連邦検察の捜査対象となっていたが、サンパウロ州検察から起訴され、逮捕の可否はクリチバ地裁のセルジオ・モーロ判事の判断に委ねられた。その途端に官房長官任命という方法で不逮捕特権獲得を図った事は、ジウマ大統領も含む捜査請求に繋がったが、メンサロン事件では検察も手を出さなかった前大統領が被告となる可能性が出てきた意味は大きい▼ルーラ氏が3月16日に官房長官に指名された後、前・現大統領の通話の内容が公表され、ジウマ氏がいきり立った事は記憶に新しい。ルーラ氏が被告となり、断罪されれば、ジウマ氏罷免時には、大統領選を前倒ししてルーラ氏擁立という、労働者党政権継続計画もおじゃんになる▼検察庁は今回、LJで捜査対象となっている政治家のリストに前大統領の名前を加える事なども要請している。前大統領が正式に捜査対象となれば、サンパウロ州内の高級アパートや別荘、その改修費などが形を変えた賄賂だった事も明らかになるだろう。「国民的英雄」が「世界でも例を見ない規模の大型汚職を企て、維持した人物」と呼ばれ始める日は近い? (み)