ほぼ同時の8月5日五輪開幕と6日の平和式典

 オリンピックは平和の祭典と呼ばれる。古代オリンピックでは開催中の戦争が禁じられていたためだ。リオ五輪は8月5日の午後6時開幕となるが、ほぼ時を同じくした日本時間6日午前8時から、広島では平和記念式典が開催される。
 今年は「核なき世界」を訴えてノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領が、米大統領として初めて参列が検討されている。実現すれば「オバマへの手紙」と題して招聘を求めてきた広島の思いがようやく報われる。
 戦後移民にも被爆経験者がいる。広島県人会(平崎靖之会長)もその日に合わせてミサなどの例年の催事に加え、特別の企画も検討しているという。ブラジルは原爆と無縁だと思われがちだが、軍政下で開発が行われていた過去もある。五輪を機に平和を見直し、被爆の語り部の話に当地の若い世代が耳を傾けられる行事があれば、より意義深い8月5日になるのでは。(航)