最高裁=南西石油問題をモロ判事に=デウシジオ上議の爆弾供述=「パサデナと同様の賄賂」

 ラヴァ・ジャット作戦(LJ)では、ペトロブラス石油公社(PB)による米国パサデナ精製所買収に不正な取引があったとして問題になっている。それと同様の賄賂などが沖縄の南西石油買収時にもあったとの爆弾証言が、デウシジオ・アマラウ上議(元労働者党)が行った報奨付証言(司法取引証言)に含まれていた。エスタード紙4日付によれば、最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事は同証言部分を、同作戦を指揮するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事に送付した。全伯を揺るがすLJ作戦の余波が、日本関係にも及んできたようだ。

 PBは06年から08年にかけて11億8千万ドルで米国パサデナ精油所を買収した。これは元々05年にベルギーのアストラ・オイル社が4250万ドルで買収した古い施設で、なんと27倍もの金額でPBは買い取ったことになる。不当に高額な売買交渉であり、連邦会計検査院(TCU)から当時のPB経営審議会や経営陣に〃失敗〃や不正があったのではと問題視にされているポレミックな案件だ。
 エスタード紙によればデウシジオ上議は報奨付証言の中で、「ペトロブラスによる南西石油買収では、ラヴァ・ジャット作戦で捜査中のパサデナ製油所買収における賄賂と同様のやり方が行われていた」と語った。PBは南西石油を08年4月に株式の87・5%を約7200万ドルで買収していた。
 デウシジオ上議の供述によると、南西石油買収は国外でのPBブランド力を高める目的もあったが、「取引はとても不利で、ペトロブラスは日本の精油所を閉鎖し、高い損失がでた」と証言した。買収の一部は07年までにペトロブラスの取締役会長と当時のジウマ・ルセフ経営審議会長により承認された。
 同供述には、PB元総裁のジョゼ・セルジオ・ガブリエリ氏に加え、アルマンド・トリポジ元秘書長官が同総裁名で工作をしていたなどと指摘され、ネストル・セルベロ元渉外部長についての記述もある。
 PB社のサイトによれば一日あたりの軽油10万バレルを処理し、日本市場基準の高品質オイルを生産出来ると公表した。しかし、PBはこの3月に撤退決定を公表、南西石油は4月に石油精製事業を停止した。
 今回、最高裁のザヴァスキ判事は、この件に関する捜査を担当するようにと、セルジオ・モロ判事と副検事総長のエラ・ウィエッコ氏に要請を送った。