ビジネスコラム=PwCブラジル=矢野クラウジオ(タックス・ディレクター)

国税庁のSolução de Consultaのページ(参考写真)

国税庁のSolução de Consultaのページ(参考写真)

 ブラジルの税制は複雑で、解釈と適用は非常に困難であることは、ここで言うまでもありません。しかし、税制の解釈及び適用について、正式に国税庁へ相談をすることが可能ということを知らない人が多いということが実態のようです。
 その正式な相談とは、税制に該当する諸問題について、納税期日前に行われ、ペナルティ及び延滞利息を防ぎ、税務調査の開始さえ防ぐことができます。その有効性は国税庁の「Solucao de Consulta」部のコンサルタントによって諸相談が受理された時点から30日間としています。
 この相談は、例えば既に法律で明らかになっている問題又は、納税者が諸問題と事実関係の証明をしなかった場合、無効とされます。
 新しい機関ではないが、2013年からの規範的命令RFB1396の開示以来、連邦政府への「Consulta Federal」のプロセスの更新がありました。
 おそらく主な更新はそれらの「SOLUCAO DE CONSULTA」が相談者側の会社でなくても、国税庁及び企業にとって拘束力があり、Coordenacao Geral de Tributacao(税務総合調整課)がブラジリアに統一されたということでしょう。
 この場合、税務申告に含まれている内容が、税務当局に提出した相談内容と合致しているということが大切な点である。税務当局はいつでもこの相談者側と、問われている税制との事実関係を調べることができます。
 そのチェックを行うため、RFBのサイトでは、事実関係、立証及び税務当局の結論を含んだソリューションについてのレポートを閲覧することが可能です。
 ある相談者が相談した結果、よい結論を得たことを知り、その恩典を自社にも利用できることが照会できたり、自社に利用できる状況と判断した場合、自ら国税庁宛に相談を申請することができます。国税庁は以前の回答と同じ回答をするでしょう。
 ここで知っておくべき重要な点は、税制に変更があった場合、あるいは理解の相違があった場合、回答された結果は無効となることです。そして相談の申請を行った相談者は取り扱いの変更については通知されません。
 そのため新しく更新される税制について常にアップデートを行い、相談(Consulta)の結果についてフォローする必要があります。
 企業への有利な判決の例としては、国内の同じグループ会社のコスト・シェアリングがあります。税務当局は一定の要件が満たされた場合、費用の税額控除を承認しました。一方で、税務当局はビジネスの目的を伴わず、経済的実態を持たないスピンオフによる税務クレジットの移転については認めていません。
(問い合わせ=claudio.yano@br.pwc.com

※この記事は、ブラジルにおける法令等の改正動向等をお知らせするため発行されたものであり、一般情報の提供を主たる目的としていますので、個別ケースに対する専門的アドバイスとして、ご利用頂けない場合がございますのであらかじめご了承下さい)