商議所昼食会=「日本の技術力に高い関心」=亜国福嶌大使が進出強く訴え

講演中の福嶌大使

講演中の福嶌大使

 ブラジル日本商工会議所(村田俊典会頭)の定例昼食会が20日、サンパウロ市チボリホテルで開催された。亜国の福嶌教輝特命全権大使を招待し、同国の展望をテーマについて講演が行なわれた。
 昨年末にマウリシオ・マクリ氏が大統領となった亜国。福嶌大使は「停滞していた経済対策として、インフラ投資の強化などが新政権の方針」とし、「米国やカナダ、EU諸国、そして日本などと協定を結び、貿易投資の活性化を図っている」と報告した。
 具体数値としては、「4年後には財政赤字を4・8%から0・3%、物価上昇指数を29%から7%に下げる」といった目標を掲げている。
 日本側では、官民合同で貿易投資に関する専門委員会を設置する方向で合意しており、ビジネスセミナーの開催などによって、日本企業の進出を促す取り組みが始まっている。「日亜関係は活発化している。15年ほど前には考えられなかったほど」と喜ぶ同大使は、「底打ちの亜国経済は上昇傾向にあり、今は投資の時期を迎えている」と捉えた。
 日本企業にとっても亜国進出は追い風のようだ。「政府も経済の見通しは明るいとしており、不安定さは少ないように感じる。中でも亜国は、質の高い日本の技術力を求めており、他国より優遇する気運もある」と国内情勢を紹介し、「私も一緒になってお手伝いしたい。視察するなら今。ぜひ実際に見に来てほしい。注意点を見極め、案件や事業計画を作成するチャンスです」と強く訴え、日本企業の亜国進出を促した。
 なお、福嶌大使は昨年まで在聖総領事だったことから、昼食会には満員の約180人が出席した。