移民史料館=『音声ガイド』運用開始へ=元TBSアナウンサー 竹内香苗さんが協力=子育ての合間に亜国で録音
ブラジル日本移民史料館(森口イグナシオ忠義運営委員長)は1日、元TBSアナウンサーの竹内香苗さんがボランティア協力した、3カ国語で説明が聞ける『音声ガイド』を新たに導入した。1日にマスコミ向けに発表説明会が行われ、来週後半から一般向けに運用を始める。これは昨年の日伯外交樹立120周年記念事業の一環で計画が始まっていた。
史料館に展示されている約130項目の各内容を、日・葡・英の3カ国語で説明文の読み上げ音声が聞けるシステム。20台用意された専用のタブレット端末では元の文章を読むこともできる。各展示に貼り付けられたQRコードをタブレットに読み込ませることで、自動で音声が始まる。
森口運営委員長は「視覚や聴覚に障害を抱えている人や高齢の方がより見学しやすくなる」と効果を説明。英語のガイドもあり、外国人観光客も利用しやすくなったという。山下リジア副運営委員長も「竹内さんはさすがプロ、とても聞きやすい音声。本当にありがたい」と感謝した。
1日の発表説明会では、日本語部分の音声録音に無償協力した竹内香苗さんに対し、松雄治文協副会長から感謝状が本人代理の同運営委員に手渡された。後日、本人に郵送される。
竹内さんはTBSの元アナウンサーで、約10年間に渡って『はなまるマーケット』『朝ズバッ!』などに出演。現在はフリー。12年11月より夫のブラジル赴任に伴い約2年間滞伯。現在は亜国ブエノスアイレス在住。忙しい子育ての合間をぬって音声を収録し、ネットでやり取りして完成した。
ブラジル滞在中に日本移民の歴史に触れ、そのおかげで日本人のブラジルでの生活が支えられていると感じた竹内さん。「ブラジルに住み始めてまず訪れたのが東洋街。そしてこの日本移民史料館。思い出深いこの史料館の音声ガイドを担当させて頂き、大変光栄です」とのコメントを寄せた。
録音は約10時間にも渡って丁寧に行われ、「展示の説明をしながらも、そこに心を込めること。出来るだけ、どなたが聞いても聴きやすいように心掛けた」という。音声ガイドを実際に体験した説明会の参加者からは「すごく聴きやすい声。とても良かった」との称賛の声が出ていた。
本プロジェクトは、住友銀行、ヤクルト、サクラ醤油の3社からの援助を受けて完成した。早ければ来週後半から音声ガイドの一般向け運用を始める。
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元TBSアナウンサーの竹内香苗さんは、アルゼンチンからネットを通して運営委員会に協力した。「大変お世話になったブラジルに、そして日系社会にほんの少しでも何か恩返しが出来たら」との思いで、今プロジェクトに参加した」とのコメントを寄せた。さらに「多くの方に、日本から海を渡り、数々の困難を乗り越え、ブラジルで確固たる社会と文化を築き上げた日系の方々の歴史を辿って頂くきっかけとなりましたら幸いです」とも。リオ五輪で来伯する日本人観光客には、新しい必須立ち寄りポイントか!?