ペルー大統領選=フジモリ氏が敗北宣言=「責任ある野党になる」

 【リマ共同=渡辺雅弘】ペルー大統領選で、クチンスキ元首相(77)に僅差で敗れたケイコ・フジモリ氏(41)は10日、首都リマで記者会見し「責任ある野党になる」と述べ、敗北宣言した。質問は受け付けなかった。
 フジモリ氏は「選挙管理当局が出した結果を受け入れる」と言明。4月の国会議員選でフジモリ派の政党が過半数の議席を獲得したことに触れて、野党として「次期政権の政治運営を監視していく」と強調した。選挙戦で掲げた政策の実現を目指す考えも表明した。
 フジモリ氏の背後には同党の次期議員らがずらりと並び、最大政党の威容を見せつけた。
 フジモリ氏は2011年の前回大統領選でも敗北したが、次回21年の大統領選に出馬するかどうかには触れなかった。
 大接戦になった選挙戦については「ウマラ現政権や経済界、メディアがクチンスキ氏側についた。選挙戦はペルー人の間の対立を助長し、憎悪や狂信を引き起こした」と指摘。反フジモリ派がフジモリ氏の父アルベルト・フジモリ元大統領(77)の強権政治などを引き合いに国民の対立をあおったと厳しく批判した。
 9日に勝利宣言したクチンスキ氏はフジモリ氏の敗北宣言を受けてツイッターで「あなたの行動に感謝する。ペルーのために精力的に働こう」と呼び掛けた。