【2016年移民の日特集号】リオ五輪=男子サッカーW杯の雪辱なるか=開会式より一足先に開幕=マナウス日系人の応援が鍵?=チケットまだ発売中

 リオ五輪開幕まで遂にあと48日。開会式は8月5日だが、それに先駆けて開始される種目が一つだけあるのをご存知だろうか? 答えは男女のサッカー。女子は8月3日、男子は8月4日に開幕する。リオから遠く離れたブラジル各都市が会場となるのもサッカーだけだ。前回ロンドン五輪では銀メダル、昨年カナダで開催のW杯でも準優勝を果たした日本女子代表「なでしこジャパン」はまさかのアジア予選敗退を喫した。しかしロンドン五輪で、銅メダルにあと一歩まで迫る4位の成績を残した男子代表は、今年1月のアジア予選で優勝し、1996年アトランタ五輪以来6大会連続出場を決めた。

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 日本男子代表は4日に、開幕のナイジェリア戦をアマゾナス州都マナウス市で戦う。広大な国土のブラジル、各チームの移動負担を軽減させるため、7日の2戦目も同じマナウス開催で、対戦相手はコロンビアだ。
 高温多湿のマナウスは体力に負担がかかるため、絶対的な個人の才能に頼らずに組織力、運動量で勝負する日本チームに不利に働くと考えられている。ただし、現地の日系社会や親日ブラジル人の心強い応援が期待できる点は大きなメリットといえる。
 8月2日には国際交流基金、サンパウロ州、アマゾナス州文化局共催で、西部アマゾン日伯協会の和太鼓団体「風河火山」、サンパウロ州タウバテ市から海藤三味太鼓、パラー州ベレンから琴の会が出演する応援演奏会が、有名なアマゾナス劇場で行われる予定だ。
 在マナウス総領事館は試合当日、スタジアム付近での日本応援団への支援、医療援護などをする予定だ。
 西部アマゾン日伯協会の錦戸健会長(65)は、「マナウスはサンパウロ州や、お隣のパラー州ほどではないが、多くの日系人が住んでいる。フリーゾーンへの進出企業にも日系企業が多く、この地のブラジル人は日本びいきで、ブラジル相手じゃなければ日本を応援してくれるはず。協会としても、みんなで固まって入場して応援するつもり」と心強いコメントを語った。
 マナウス日本人学校の中川勝美校長(55)も「僕の息子はドイツの4部リーグでプレーするプロ選手なんです。だから23歳以下の五輪代表は同世代でとても親近感がある。当然、チケットも入手した。うちの学校の生徒の多くも、夏休みの帰国日程をずらして家族と共に観戦すると聞いている。できる限りのサポートを行いたい」との胸中を語った。
 肝心のチケットだが、サッカーW杯の時のような激しい争奪戦は起こっておらず、日本戦のチケットは(6月8日現在で)公式サイト(www.rio2016.com/ingressos/saibamais/)で3試合全て購入可能の上に、値段も50レアルからと廉価だ。
 3戦目は8月10日、バイーア州サルヴァドールに場所を移してのスウェーデン戦。午後7時からの日本戦の後に、同じチケットで午後10時からのブラジル対デンマークの試合も観戦でき、大変お得だ。
 グローボ局のサイトに、ポ語で日本サッカーの情報を執筆しているチアゴ・ボンテンポ氏(30)は日本チームについて、組み合わせ抽選でツキがなかったために困難が多いと予想し、次のようなコメントを寄せた。
 「今回はロンドン大会より難易度はずっと高い。日本は組み合わせ抽選でツキがなく、困難なグループに入った。なんとか予選を通過しても、準々決勝でブラジルと当たる可能性もある。さらに日本は多くの選手が怪我をしており、ベストメンバーを揃えられていない。日本サッカー協会は弱点補強のため、3人まで認められている23歳以上の選手を招集できるように交渉力を発揮しなくてはならない」
 とはいえ、「事が全て上手く運べば、前回ロンドン大会の再現、ベスト4も夢ではない。今回の日本は、アジア予選の決勝で韓国相手に0対2から逆転勝ちした事からもわかるとおり、闘争心が備わっており、簡単に諦めないチームだ」と、強みも強調した。
 2年前、14年のW杯で、「史上最強の代表チーム」と自信を持って挑んだにもかかわらず一敗地にまみれた日本サッカー。今回は傑出したタレントがおらず、決勝トーナメント進出で充分及第点といえる。
 〃リオ〃五輪ではあるが、日本チームは組み合わせの関係上、リオの地を踏めるのは早くても「準決勝」以降だ。それが叶った時は、快挙と言えるだろう。