前県連会長本橋氏らに栄誉=外務大臣表彰、受賞者が決定

 平成28年度(2016年)外務大臣表彰の受賞者が13日に発表された。在伯大使館管内から1人、在ベレン領事事務所管内から2団体、在聖総領事館管内から3人と計6の個人・団体が選出された。昨年は外交120周年を記念し、全伯で102人が表彰を受けていた。今年の受賞者と功績は以下の通り(敬称略)。

【ブラジリア管内】

▼三浦武(三浦道場師範)
 今年、創設50周年を迎える三浦道場(Judo Miura)から、数々の優秀な柔道家を輩出。単に優秀な競技者を育てるのみではなく、日本の武道精神をブラジル人へ継承すべく、それらを重視した指導を行った。67年から30年間にわたり、ブラジリア連邦区教育局所属の常任柔道講師を担い、同地区の関連施設において広く柔道の指導を行うなど、日伯の相互理解に尽力している。

【ベレン管内】

▼アマゾニア日本語学校
 週末のみ日語授業を行う学校が多い同地において、幼児から成人までの幅広い層を対象に平日にも開校。授業外のクラブ活動として琴を指導するなど、言語教育のみにとどまらず、基本的な道徳や日本文化を取り入れた青少年の情緒育成を教育目標に、日本語・日本文化の普及と共に日系社会の発展、地位向上に貢献している。

▼トメアスー日本語学校
 1929年に創立された伝統ある同校は、アマゾン入植第一陣が入ったトメアスー移住地において、長年にわたり日語教育に尽力。「日本語をよく理解し日本文化を身につけ、日系ブラジル人として社会に貢献できる人材の育成」を教育目標とし、日語教育を通じた地域への日本理解を促進し、日系社会の地位向上に尽力している。

【サンパウロ管内】

▼アルビラ・アペル(カンポ・グランデ・セントラル観光マーケット協会会長)
 沖縄移民が多い南麻州カンポ・グランデで2006~10年、日系人が経営する沖縄ソバ28店の市場「フェイラ・デ・ソバ」の会長職を全う。集客力を高めるため週末ごとに様々なイベントを実施した。8月に開催するソバ祭りには、毎年10万人以上が来場。また沖縄ソバのモニュメント設置、サンバのリズムでソバを題材にしたテーマ曲のコンテストを行うなど、創意工夫をもって普及に貢献した。沖縄ソバは同市の無形文化遺産に認定されている。

若林氏

若林氏

▼若林和男(美術家)
 60年代に移住し、約50年間当地において芸術活動を展開。サンパウロ国際ビエンナーレを始め数多くの展覧会に参加した。ブラジル外務省賞など受賞歴多数。漆工芸の技法や、日本の古典から引用された図柄を活かした作品を多く発表しており、日本の伝統をブラジル人に分かりやすい形で伝達することに成功している。また後進の指導にも注力し、日伯文化交流のため献身的な活動を行うなど功績は大きい。

本橋氏

本橋氏

▼本橋幹久(前県連会長)
 ブラジル日本都道府県人会連合会副会長・会長として、同連合会と日本の地方自治体との交流促進に尽力。ブラジル国内の日系社会の交流のみにとどまらず、ボリビアやアルゼンチン等の南米各国の日本人移住地・日系コミュニティを訪問し、日系団体ネットワークの構築に尽力した。また、同時にブラジル鳥取県人会長として「サンパウロ・鳥取友好の森」植樹プロジェクトを推進し、日伯友好親善と自然環境保護活動に貢献した。