五輪の現場から=(3)=ビーチバレーは五輪の華

米国発祥のビーチバレー(Celio Messias/Invofoto/CBV)

米国発祥のビーチバレー(Celio Messias/Invofoto/CBV)

 5日に開幕したリオ五輪。普段馴染みのない競技も多く、何を見たらよいか分からない人も多い。そんな時にお薦めの競技がビーチバレーだ。砂浜の上で行われるバレーボールで、1チームたったの2人でコート全体をカバーする。
 リオの代名詞とも言えるコパカバーナ海岸に建てられた特設競技場に入ると、すぐに気づくのが、この競技のおおらかさだ。
 「敵は徹底的に叩きのめす」「敵のファンは罵り倒す」―そんなサッカー文化を見慣れていたコラム子は、勝っても負けても笑顔の観客の様子に毒気を抜かれたような気がした。
 試合の合間にリズミカルな音楽やダンスパフォーマンスの行われるスタジアムはまるでコンサート会場のようだ。
 アタックの迫力満点の男子、ラリーの続きやすい女子と、それぞれ別の角度から楽しめる。急に思い立って行ったのでチケットは売り切れていたがTICKETと書いた紙を掲げるとすぐに余った人が廉価で譲ってくれる。チケット名義はスイス五輪委だったが本人照合は行われていない。
 会場の多くを占める中立のブラジル人ファンは盛り上げ上手で、どっちが勝っても惜しみない拍手を送る。ただ、競技の間の静寂に乗じて「テーメル出て行け」と政治的コールを行うことだけが興を削ぐか。(規)