日本選手の声を世界へ=通訳ボランティア

 【リオデジャネイロ共同=小泉忠之】五輪の運営を支えるボランティアの中には、海外メディアの通訳として活動する日本人学生や日系ブラジル人も目立つ。取材現場に立ち会い、日本選手の声を世界中の読者・視聴者に伝える橋渡し役を務めている。
 「好きなブラジルで五輪に役立てたら」。サンパウロ大に留学中の立教大生の堀池桃代さん(20)=東京都狛江市=はそんな思いで応募した。
 堀池さんは父の駐在でブラジルに9年間住んだことがあり、英語も得意。ただ通訳は初めての体験で、選手の一言を「どう訳していいか迷ったこともある」。
 ボランティアは合間に試合観戦も認められる。日本の体操男子団体総合の金メダル獲得を間近で見た東京外国語大の宇居世理さん(20)=千葉県市川市=は「言葉にできないくらい感動した」と興奮気味だ。
 日本語とポルトガル語の通訳を務めるアメリコ手島さん(63)は、高知県出身の父を持つ日系2世。1964年の東京五輪は記録映画で見た。ブラジルの日系企業や名古屋市でも勤務した。
 サンパウロ郊外に住む手島さんは組織委が確保したホテルにボランティア同士、相部屋で滞在する。「ブラジルの若者も英語がうまくなった。インフラも整備され、五輪開催はきっとブラジルの財産になる」と語った。