至極の100枚を掲載「移民Ⅱ」=サ紙の創刊70周年も記念し

松本さんにとって2冊目の写真集となる「移民Ⅱ」 サンパウロ新聞の松本浩治編集局次長による写真集「移民Ⅱ」がこのほど刊行した。2006年の「移民Ⅰ」に続く10年ぶりの続編にあたり、その間撮影した約100枚の写真が収められている。
 1966年、大阪生まれの松本さんは94年から当地に移住。日毎新聞を経て98年からサンパウロ新聞社に勤務している。同作はサ紙の創刊70周年も記念し出版された。
 「独断と偏見で選んだ。泣く泣く掲載を見送った作品も多い」という100枚の厳選写真は一世が中心。「移民してまだ頑張っておられる方、それに亡くなった方も多い。そんな人たちの記録を見てほしい」と願いを込めた。
 農業従事者、経営者、スポーツ、芸能関係など多分野に渡る人物の柔らかな笑顔が深みのあるモノクロで刻まれている。コロニア行事の一幕や象徴的な地方の風景も収められた。取材範囲は日系社会が活発な聖、パラナ両州以外にリオ、ミナス、南麻州、北伯にも及ぶ。
 特に移民90周年(09年)を迎えたアマゾン地方は、パラー州ベレンを中心に見ごたえのある写真が多い。土地柄もあってか「経歴の珍しい方、興味深い方も多い」と思いを語る。
 多くの移住地も登場する。ロンドニア州トレーゼ・デ・セテンブロのグァポレ、ゴム栽培で栄えたベルテーラ(パラー州サンタレン)、和歌山に縁のあるクルパイ(南麻州)ほか、チエテ(現ペレイラ・バレット)、サンパウロ州グァラレマの桜高森植民地などなど。
 出来上がった書籍を手に、「お勧めの1枚など選べない。どれも思い入れのある写真ばかりです」と完成に喜びと自信を見せた。
 書籍は一冊50レアルで販売中。問い合わせはサンパウロ新聞社(11・3347・2000)まで。