島根県人会=創立60周年を盛大に祝う=県との繋がりをさらに強く=知事ら40人が来訪、神楽も

 島根県人会(村上アンドレ光明会長)が23日、サンパウロ市の島根県人会交流センターで在伯島根県人会創立60周年記念式典を行なった。母県からは溝口善兵衛知事、中村芳信副議会議長、山碕英樹町村会長代理ら約40人が来伯し、中前隆博在聖総領事や各日系団体の代表者、県人会員ら約300人が節目を祝った。

 式典は午前10時から始まり、日ブラジル歌、島根県民の歌斉唱後、先没者に黙祷が捧げられた。来賓紹介後、開会あいさつで村上会長は、「先人らにより1956年に創立された。島根県、また県人会関係者らの協力により特別な時を迎え感謝し、光栄に思う」と語り、60周年を迎えた喜びを語った。
 祝辞に立った溝口知事は県と県人会の繋がりを強調した。「皆さんの故郷、島根の文化や自然は国内外から高評価を頂いている財産。在伯県人会と島根の60年間の交流もまた、皆さんと私たちの財産。今後の日伯交流と発展に欠かせないものになる」と話し、会場から大きな拍手が起こった。
 続いて中村副議長、町村会の山碕会長代理、中前総領事ほか、当地での環境教育で協力関係にあるJICAの那須隆一所長らが祝辞を述べた。またパリ、ニューヨーク、ロサンゼルスやイギリスの島根県人会からも花やメッセージが届いた。
 功労者と高齢者を記念表彰した後は、相互で記念品を交換し、昨年県費研修した戸田メラニー・スエさんがあいさつ。「3カ月間の滞在は大変素晴らしいものだった」と、帰国者を代表して感謝を述べた。
 ケーキカットと溝口知事による乾杯の音頭で祝賀会に。テノール歌手田中公道さんのオペラ、婦人部の日本舞踊、会員のどじょうすくいなどが会場を沸かした。
 最後は来訪団による石見神楽が披露され、ヤマタノオロチ退治を題材にした「大蛇」が発表された。ヤマタノオロチの目が光り、口から花火が出る迫力満載の演出に一際大きな歓声が沸いた。
 1月に100歳を迎える高橋八千代さん(99、島根)は余興でドンパン節を踊り、人一倍元気な姿を披露した。高齢者表彰も受け、「60周年を祝うイベントに出席できて嬉しい。優しくしてくれる皆さんのお陰でここまで来れた」と喜びを語った。

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 島根県人会の創立60周年記念式典に来場していた、三世の大森ステファニーさん(25)。次期県費研修生として、来年の7月から半年間の滞日を控えている。USPビジネス学部を卒業し、現在はサンパウロ市内の新規企業で働いている。「日本の新規企業に興味があるので、そこで研修をしたい」と笑顔で語った大森さん。県費研修という経験を糧に、さらなる活躍を期待。