東西南北

 昨8日は現地紙でも米国の大統領選挙が一面を飾り、国内ニュースを押しやるほどの勢いを持った。本日付本頁でも報じたような「誰が大統領になるとブラジルはどうなる」といった記事も、サイトなどで数多く見受けられた。そこで思うのだが、もし現在もジウマ政権が続いていてアメリカの大統領がトランプ氏になっていたら、組み合わせ的には最悪なものとなっていたのではないか。ジウマ氏をはじめ、労働者党(PT)が人種差別や女性差別も伝えられるトランプ氏を嫌った可能性は高く、アメリカとの関係が危うくなっていたかもしれない。そうなると、アメリカ頼りの部分が大きいブラジルの経済復興もさらに遅れたかも。皮肉なものだが。
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 1999年11月にサンパウロ市のショッピング・モルンビの映画館内で起こった、医大生が3人を殺害した無差別殺人事件は市内で起きた惨劇として語られ続けているが、犠牲者のひとりのエルメ・ルイーザ・ジャトバー・ヴァダスさん(当時46歳)の遺児たち3人が、17年後の今、同ショッピングに対し、「警備の不備」などを理由に裁判を起こしている。母の突然の死でつらい思いをしてきた娘たちだけに、良い結果になればいいが。
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 今年の受験会場の占拠問題のみならず、毎年なにかしらのトラブルが発生する国家高等教育試験(ENEM)で、今年もまた、出題の事前漏洩疑惑が起きた。漏れたとさせるのは作文(小論文)の題で、セアラー州でテスト前に34歳男性(逮捕済み)が情報を流していたとして、検察が試験は無効と訴えている。昨年も同じ題が偽情報として流れたが、果たして。