第6回南米婦人の集い=レジストロ、皆で村おこし=(2)=自分の生産物に誇りを!

 夕食会では文協青年部らの民謡発表や健康体操を楽しんだ。CKCの大森麗裕さんが事業の目的を改めて確認。レジストロ農協婦人会の宇都宮和子会長は「この3日間、実のあるものにしたい」と意気込みを語った。

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フェイラ・デ・プロドゥトルで山芋を手にレシピを話し合う

フェイラ・デ・プロドゥトルで山芋を手にレシピを話し合う

 集い2日目は早朝にホテルを出発し、『フェイラ・デ・プロドゥトル』と呼ばれる直売市へ。採れたばかりの鮮度の高い食品が並ぶ。
 このフェイラでは、撤収する際の清掃も出店者自身が始末する。業者を呼ばないような完全自営型は珍しい。清水さんが企画し、30年ほど続いているそうだ。
 出店には山芋やパルミット・ププーニャ、マンジューバ、牡蠣など当地の特産品が並ぶ。早朝から元気に満ち溢れた婦人らは袋一杯の買い物を楽しみつつ、真剣な眼差しで販売者に栽培法などを質問した。
 午前9時に文協会館へ戻り、ラジオ体操のあと講演と報告会が開かれた。
 講演1番手は市内4つの宗教、農協、文協の婦人部をまとめるレジストロ連合婦人会の清丸米子会長。「私の歩いた道」と題し、移住した父の一生と自身の人生を語った。
 次に清水さんが「レジストロの過去、現在、未来」を講演した。同市の紹介を踏まえ、観光地化への目標などを説明した。
 近郊からいかに観光客を呼ぶか。パラナ州クリチバ、サンパウロ州ソロカバ、カンピーナス、サントス、サンパウロ市など約2千万人ほどの住民の内、1%に当たる20万人の誘致を目指している。
 また「レジストロが観光地として成り立てば、近隣のイーリャ・コンプリーダ、カナネイアを訪れる拠点にも利用できる」と、同地の可能性を紹介した。
 JICAやCKCによる訪日研修の報告もあった。ADESCの牛腸ルルデスさん=ピラール・ド・スール在住=は高齢者向けの食生活を学ぶため、老人ホームなどで健康的な料理の調理法を学んだ。
 また、現地のNGO法人を訪れ家庭内暴力や地域過疎化などの現在の日本が抱える問題を確認し、地域活性化への長期目標を確認したことを報告した。
 ADESCの盛岡サヨコさん=バルゼン・グランデ在住=は今年の1月4~28日まで日本に渡り、女性部の地域活性化交流研修に参加した。
 東京都大手町のビル内農場などを見学したことを紹介。施設内部で行なわれる人口太陽光による稲作の写真が映され、聴衆から驚きの声が上がった。
 群馬県の富岡製糸場で取り入れるバリアフリー整備や、埼玉県の山口農園で梅酒の作り方も学んだ。また農業観光を実施する個人宅にも訪れたという。
 田舎に土地を買い、観光客とともに農業を営む様子を見て、「彼らは生産物に自信を持っている。私たちも同じように、自分たちの作るものに引け目を感じてはいけない」と会場に語りかけ、「私たちのものが一番!こんなふうにね」と笑いを誘った。(つづく、國分雪月記者)