東西南北

 2016年という年は、ジウマ大統領の罷免とリオ五輪という、年表に載せるべきことが二つも起きており、ブラジル社会にとって歴史的に見て特別な年になるということに、多くの国民も同意すると思われる。だが、この年の混乱はまだまだ終わらない。ただでさえ、大統領と下院議長が罷免されたという、世界的に見ても前代未聞の出来事が起きた年なのに、五輪開催のリオの州知事が2日連続で逮捕されるとは。それも、州公務員の激しいストが行われている真っ最中にだ。権力を持った政治家が悪事で罰せられることは歓迎すべきだが、あまりにもめまぐるしく事が動き、混乱の責任解明が疎かにならぬよう気をつけたい。
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 16日に下院で起きた本会議場への抗議団体乱入は、ネットなどで見る限り、非常に冷ややかな反応が多い。これを見るに、日頃から報道などで事実を確認することは大事だと思われる。抗議自体は政治腐敗を追及したもので、全世界的に正義の英雄扱いのセルジオ・モロ判事を誉めそやしたりしながら、左翼政権崩壊後なのに「共産主義に向かっている」と発言したことや、今もなお国民感情の悪い軍政を支持するかの発言はあまりに常識知らず。行動を起こす前にいまいちど確認を。
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 こうしたニュースの一方、めでたい話も。チッチ監督就任以来絶好調のサッカーのセレソンが、16日発表のFIFAランキングで遂に2位に。1位は先週の南米予選で圧勝したアルゼンチンだけに、近いうちに09年以来の世界ランク1位も現実的に。サッカー同様、ブラジル社会も再建に向かってほしいが。