茶道でブラジル人にゆとり

 日曜日に行われた裏千家の宗旦忌。林宗一代表の「ブラジルに茶道を浸透させる」という目標通り、今回茶名を受け取ったのはブラジル人二人だった。
 『宗善』という茶名を授かったロベルト・アウグスト・ネーヴェスさん(83)は「茶道を始める前はせっかちで、怒りっぽかった」とのこと。16年間も茶道を学んでいる。
 茶道を通して少しずつ心にゆとりが生まれ、憤りを覚えることが減っていき、以前より気が楽になったそう。「禅の心を学んでいる途中」とのこと。
 茶道では客に振舞う茶を淹れるため、様々な作法とその意味を習得する。その過程で、ゆっくりと精神にも深みを持たせていくようだ。
 「そのうち茶道教室を開きたい」と微笑むアウグストさん。日本文化が人の成長の一助となり、ブラジルでも粛々と受け継がれる様子を目の当たりにした。(雪)