日本政府が会館建設を支援=草の根で8万ドル、ロライマ

署名式典で喜びを見せる福田会長(左)と岩戸領事

署名式典で喜びを見せる福田会長(左)と岩戸領事

 北伯ロライマ州都のボア・ビスタにあるロライマ日伯協会(福田美知恵会長)は、日本政府による草の根文化無償資金協力で8万3千米ドルを得て、日語と日本文化発信拠点となる文化センターの建設を決定した。
 同地コロニアの起源は1955年。北伯でゴム採取労働に従事したパラー州入植者の転住が始まりだった。現在は120家族が生活すると見られるが、移民百周年を迎えた2008年以前には、日系団体は存在しなかった。
 「日本文化への関心が高く、百周年をきっかけに継承してゆく必要性を感じた」と福田会長は振り返る。節目を祝して開催された『日本文化週間』では、活け花や折り紙のワークショップから、伝統芸能や舞踊公演など数々のイベントを開催。日本文化と接点のなかった現地のブラジル人、約1万人を魅了した。
 アマゾン移民80周年の09年には第2回、昨年はロライマ州移民60周年に合わせ第3回を開催した。また09年に設立した日本語学校は、JICAボランティアの支援を受けながら約50人の生徒が通い、約8割はブラジル人だ。また開校以来、毎年運動会も開催し、昨年は市の後援も受けた。
 百周年を機に活動を活性化させたロライマ日伯協会は、12年から文化センター建設のための資金援助を総領事館に要請。今回、ようやく念願がかなった格好だ。約190平方メートルの敷地に、日本語教室などを兼ね備えた文化施設となる。
 在マナウス総領事館で先月16日、署名式が行われた。岩戸孝広領事は「文化的、そして教育的な機会を提供する日本文化の拠点として、日本とアマゾン地域の関係強化が益々発展することを期待したい」とあいさつ。福田会長は「センター建設により、現地のブラジル人は何処へいけば日本文化と接触できるかを知ることができる」と意義を語り、「我々の夢を実現してくれた総領事館に感謝したい」と喜びを語った。