大耳小耳

 東洋街のガルボン・ブエノ通りを繋ぐ大阪橋に、新しいベンチが三つ設置された。元々の歩道と拡張された歩道にまたがり、それぞれ横6メートルほどの大きなもので、人が寝転がれるほど。ニッケイ新聞横の三重県橋にも、くつろいで座れるようなベンチが数カ月前にできた。そろそろ夏で夕焼けが綺麗な季節。夜には高架線下の高速道路を通る車の夜景なども見られる。ちょっと排気ガスは気になるが、しばし休憩して、眺めを楽しむのも一興かも。
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 『ぶらじる川柳』(ぶらじる川柳社)211号が11月に発行された。9月10日にロンドリーナで開催された第63回全伯川柳大会の特集号だ。1位<ガラクタの一つ一つにある記憶>(島田喜久枝)、2位<ふるさとの記憶は今も風化せず>(光岡早苗)、3位<遠い日の記憶辿れば悔いばかり>(五十嵐美佐子)、4位<よき師との出会いし記憶今がある>(富松貴恵子)、5位<哀楽の記憶を胸に異土に生く>(栄森さかえ)、6位<順調に老いております記憶力>(柿島さだ子)、7位<期待とは嬉しく重い荷物です>(坂上歩)、8位<お金では買えぬ命を無駄使い>(浦畑艶子)、9位<切り捨てた風が記憶の底で吹く>(藤倉澄湖)、10位<川柳は命の泉沸く気力>(久保久子)など。
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 兵庫県神戸市にある日伯協会(三野哲治理事長)の会報『ブラジル』第973号が11月に発行された。「創立90周年特集」で38ページ、全頁カラーという豪華版だ。1926月5月8日設立という最古の日伯関連団体だろう。寄稿者の一人、堤剛太汎アマゾニア日伯協会副会長は、3年前にベレン総領事館が領事事務所に格下げされた件を取り上げ、《80数年もかけてアマゾンの地に築き上げてきた日本の外交拠点をなぜここに来て見捨てるのか。中国政府は逆に、この地での将来性を見込み積極的な進出策をとっているのに反して、日本政府の解せない撤退策でした》と厳しい一言も掲載されている。ぜひ「アマゾンの声」に応えるような〝サムライ〟が外務省に現れてほしいものだ。