「日系社会を一目みたい」=武井外務大臣政務官が視察=県人会と懇親、JHに期待

宮崎県人会との交流会にみやげ物を持参し、「いつでも戻ってきて」と県をPRする武井政務官

宮崎県人会との交流会にみやげ物を持参し、「いつでも戻ってきて」と県をPRする武井政務官

 外務大臣政務官の武井俊輔衆議(41、宮崎県)=自民党=が18日、日系人交流やジャパンハウス(JH)視察のため当地を訪れた。エクアドル出張を機に本人が希望した初来伯で、1日に満たない滞在ながら主にコロニア関連を視察。「これまで2度、来訪を逃した」という同氏は初来伯で充実した職務をこなした。

 武井政務官は今年8月の内閣改造に伴い、議員2期目ながら外務大臣政務官に就任した。「大臣政務官」は大臣、副大臣に次ぐ重要な役職だ。担務地域として北米、中南米、アフリカを受け持つ。今出張では15日に離日しエクアドルへ。2018年に迎える外交関係樹立100周年を前に、首都のキトで政府要人と意見交換した。
 18日に着聖し、イビラプエラ公園の慰霊碑、日本館、移民史料館を訪問。商工会議所では意見交換をした。政権交代に伴うブラジル情勢について見識を深め、貿易や通関面での課題の認識を深めた。
 現在改修工事中で、来年5月に開所する広報施設ジャパンハウスにも訪れた。「運営メンバーには優秀な人材が揃い、モチベーションが高い」と評価し、パウリスタ大通りに面する立地の良さなどからPR面で高い期待を示した。「日本と接点のなかった人たちを取り込み、ワンストップで日本を知れる」と展望し、「外務省としても大変力を入れている事業。楽しみ」と語った。
 地下鉄に試乗し東洋街を徒歩で散策するなど、同日深夜の離伯ながら精力的に見て回った。夕方には郷土の宮崎県人会で懇親会も開かれた。東洋街の会館を訪れた際には、高橋久子会長ら役員から熱烈な歓迎を受けた。牛肉を始めとする畜産や果樹栽培などが話題に挙がり、互いにお国言葉で交流した。
 テメル大統領が就任早々に訪日したこともあり、「重要視して頂いていると実感する」という。過去に県人会が節目を迎えた際には旅行代理店勤務時代、県議時代にあった来伯機会を逃したという。わずかな時間ながら立ち寄ったのは、かねてから「日系社会を一目みたい」との希望があったからだった。
 「大きな親日国であり、日系社会という他の国にはない資産がある」と称え、「先人の苦労があったことを忘れてはいけない。一世らは日系社会の発展に、今後もお力添えして頂きたい」との言葉を送った。
 武井政務官は同日深夜に離伯。米ニューヨークでの任務を経て、21日着の航空機で岐路に着く。

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 来聖した外務省の武井俊輔政務官は、忙しい業務の合間をぬって、週に一度は地元・宮崎に帰省しているよう。所属の自民党で県第1選挙区支部長を務める関係もあるのだろうが、県人会の面々と懇親会をした際には「お国言葉」が行き交い、とても親密な空気が流れていた。宮崎県人会の黒木慧元会長も、「やっぱりお国言葉がいい。血の通う話ができて感激」と満足の笑顔を浮かべていた。