三菱東京UFJ銀に新頭取=人事異動、将来の好況に期待

小池中南米総支配人と木下頭取

小池中南米総支配人と木下頭取

 三菱東京UFJ銀行の中南米総支配人である小池淳介氏(東京)と、昨年11月、新たにブラジル三菱東京UFJ銀行の頭取に就任した木下誠氏(神奈川)が先月20日に人事異動に関する記者会見を行った。
 小池氏は当地法人の頭取を兼務していたが、今回の異動で中南米総支配人専任となった。同行が持つ中南米地域7カ国の拠点強化に集中する。
 後任は木下氏で、アルゼンチンやベネズエラでの勤務経験を持つ。中南米地域の中核であるブラジル赴任には、「中南米での経験を活かし当地で奮闘する日系企業を支える。さらにブラジル企業、社会との関係強化によりブラジル経済に貢献したい」と意気込みを語った。
 また両氏は、1919年にリオに拠点を持った前身の横浜正金銀行にも触れた。「当地で長く業務ができているのは日系コロニアのおかげ」と語り、「当地への出張者は(文協ビル内の)移民史料館に案内することが多い」と明かした。
 現在、三菱東京UFJ銀行では国外業務が収益の5割を占めるという。小池氏は「アジア圏でいえばタイのアユタヤ銀行買収、フィリピンの大手銀行に2割出資など、海外業務を拡大中。中南米圏の持つ大きな潜在能力を信じ、長期的にじっくりと事業に取り組みたい」と語った。
 ブラジルの経済状態については「半年前から、回復に向けた期待が高まっている」と話した木下氏。「まだ分からないが、希望を含めて新年第1四半期にはプラスの成長になるのでは」と分析した。