ソサイチの大泉、初戦に快勝=関東リーグ制覇へ首位発進=サンパウロの国際連盟から祝辞も

開幕戦に臨む大泉の選手、スタッフら

開幕戦に臨む大泉の選手、スタッフら

 【既報関連】サッカー7人制競技「ソサイチ」で、日本国内初の総当たり戦「関東リーグ」が7日開幕した。ブラジル人を中心に構成された「ニューセントラル大泉」も参戦しており、4―0の快勝で好スタートを切った。また開幕式典では、サンパウロにある国際連盟から祝辞が寄せられ、大泉所属のブラジル人選手が選手宣誓に立つなど、当国との繋がりを強く感じさせた。

 日本国内では10年前からソサイチ連盟が設立され、今月になって初めて関東リーグが始動した。日本最高のブラジル人住民比率(9%)を誇る群馬県大泉町では、彼らを中心にソサイチ専門チームが組織され、同リーグに参戦している。
 開催初年度を迎えた関東リーグには全20チームが参加。「リーガ・ソル」「リーガ・ルア」の2グループに分かれて総当たり戦を行ない、上位による優勝決定戦で初代王者を決める。ソルに所属する大泉は、横浜みなとみらいで行なわれた開幕戦で、八王子東SCと対戦した。

チーム2点目を決めたイオサキ・ダイゴ・パジーリャ選手(中央)(ともにクラブ提供)

チーム2点目を決めたイオサキ・ダイゴ・パジーリャ選手(中央)(ともにクラブ提供)

 試合は20分ハーフで行なわれ、0―0で迎えた後半に4点を奪取。相手を零封して快勝をおさめた。順位は一般的なサッカーのリーグ戦同様、勝ち点や得失点で決定する。勝ち点3を得た大泉は、1試合消化ながら得失点差で首位にたった。
 大泉のルーベンス・サンターナ監督は、「開幕戦ということもあり緊張がみられたが、良いスタートを切れた事に感謝している」と安堵し、「目標は優勝。さらに団結したい」と意気込みを見せた。第2節は来月4日、千葉で行なわれる。
 開幕に先立ち記念式典も行なわれ、サンパウロ旧市街(セントロ地区)に本部を置く「国際ソサイチ連盟」からも祝辞が寄せられた。「リーグ始動は、アジアでの競技発展に寄与するものと信じている。今回ような大きな事業に携わった皆さんを歓迎したい。我々の知識を共有できれば」と綴られた。
 また選手宣誓には大泉所属のブルーノ・エヴァンドロさんが代表して登壇。「ソサイチの普及とチームの名誉のため、フェアプレーに徹して戦う」などと宣言した。国際連盟の祝辞も同選手が代読するなど、「ブラジル人クラブ大泉」の存在を大きくアピールする場にもつながった。
 チームは今後、法人を設立し活動の幅を広げたい考え。大泉の菊田博之運営責任者は初戦勝利に喜びを見せつつ、「我々の活動が地球の反対側にも届き、日ブラジル友好の一助となれば幸いです」とコメントを寄せた。(小倉祐貴記者)

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 7人制サッカー「ソサイチ」は日本の話かと思っていたら、その本部たる国際連盟が、本紙ニッケイ新聞からも遠くないサンパウロ市セントロにあった。地下鉄ベラ・ビスタ駅近くに所在し、見たところブラジル連盟も同居している。サンパウロ州連盟もあるようで、こちらはコンゴーニャス空港のすぐ東。バスコ・ダ・ガマなど強豪もソサイチ部門のチームを持つように、当地では盛んに行なわれている。この競技を通じて、発祥の地とされる当国と、日本のつながりも深まりそう。