サンパウロ市に本拠を置くサッカーの名門クラブ、パルメイラスの最大応援団「マンシャ・アウヴィヴェルデ」の創設者の一人で元会長のモアシル・ビアンシ氏(48)が2日未明、サンパウロ市南部イピランガで銃殺される事件が起きた。2日付現地紙が報じている。
市警殺人課によると、モアシル氏はプレジデンテ・ウイルソン大通りを運転中、信号で止まったところを狙われた。
防犯カメラの映像によると、最初のタクシーはモアシル氏の車をふさぐように停止、その後に同氏の車の後ろに止まった車から銃撃犯が降り、モアシル氏に向けて計22発の弾を放った。モアシル氏は頭や首、腹部、肩に銃弾を受けて即死。犯人らは車をバックさせ、その場から逃げた。モアシル氏の車はひとりでに動き出したが、塀にぶつかって止まった。
殺人課は、今回の事件はマンシャ内部での抗争によるものと見て調べている。それは、モアシル氏が事件の直前、西部バラ・フンダにあるパルメイラスのスタジアム、アリアンツ・パルケ前で、マンシャ内の不満分子たちと話し合いを行っていたためだ。マンシャ内では運営側と各地区在住、特に市南部在住の応援団員との仲がうまくいっていなかったという。
なお殺人課は、今回の事件に犯罪組織が絡んでいる可能性を否定している。
モアシル氏は、15歳だった1983年にマンシャ創立に関わり、以来、応援団の内外でまとめ役的な存在として知られていた。モアシル氏の死を受け、マンシャは無期限で活動を停止することを発表した。
モアシル氏はパルメイラスのエスコーラ・デ・サンバ「マンシャ・ヴェルデ」の運営メンバーの一人でもあり、先週北部アニェンビのサンボードロモで行われたスペシャル・グループのパレードにも参加しているが、同エスコーラと今回の事件の関わりはなさそうだ。
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