「普及の苦労知ってほしい」=柔道家 山ノ内さん回想録出版

本の表紙

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 パラナ州で活躍する柔道家の山ノ内誠さん(79、二世)が昨年12月、自身の回想録「メモリアス・デ・ウン・ジュードーカ 一人の柔道家の回想録」をCRV出版社から発表した。日ポ両語で全344ページ。
 山ノ内さんは1938年9月25日にローランジャ市で生まれた。1953年からサンパウロ市で柔道を練習しはじめ、1955年に黒帯を取った。パラナ柔道連盟の会長に2度就任し、ブラジル柔道家の中では3番目に高い段位である8段を取得した。
 同書には、嘉納治五郎や柔道の訓示といった基礎概念ほか、ブラジル内の著名な柔道家、パラナ柔道連盟の活動などにも触れている。また、パラナ州で活躍する柔道家らの回想録も掲載されている。
 「執筆には資料収集などのために2、3年かかった」と明かした山ノ内さんは、「当地の先生方の記録を残したかった。競技普及の苦労を知ってほしい」と語り、「当地だけでなく日本の柔道家や興味のある一般人に読んでもらい、ブラジルの柔道について知ってもらいたい」と期待した。