事故起こした貨物船が再運航=タグボートの乗員ら不明のまま

 【既報関連】8月2日午前4時半頃、アマゾン川(ポルトガル語ではアマゾナス川)を航行中、フェリー9隻を牽引していたタグボートと衝突、現場付近で滞留していた貨物船が、13日に運航を再開した。
 だが、事故直後に沈没したタグボートの乗員9人は今も行方不明のままで、乗員の家族達は13日に、パラー州サンタレンにある連邦検察庁の建物の前で抗議行動を行った上、国道163号線も封鎖した。
 タグボートと衝突した貨物船はメルコスル社の所有で、舳先に張り付いていたフェリー2隻と貨物船本体を引き離す作業の後、船体の異常の有無を点検した上で、運航を再開した。貨物船はマナウス到着後、より精密な点検を受ける予定だ。今後も継続して業務を行えるか否かの判断はこの時点で行われる。
 舳先に張り付いたフェリー2隻の除去作業は、タグボートとフェリーを所有するベルトリニ運送会社が派遣した作業船3隻を使って行われた。
 パラー州オビドスに近いアマゾン川流域で貨物船と衝突したタグボートは、事故現場から15キロ下流に流され、水深63メートルのところに沈んでいる事が確認されている。そのあたりは水の流れが速く、視界も聞かないため、船体の引き揚げ作業や、内部に閉じ込められている死体があるか否かの確認などは困難を極めそうだ。
 行方不明者9人の内、6人はパラー州出身者、2人はアマゾナス州出身者で、残る1人はサンパウロ州出身者だ。(14日付G1サイトより)