《ブラジル》連警が3つの捜査を同時展開=5州ではパラグアイからの密輸で=リオ市や北大河州でも不正

ロビンソン・ファリア北大河州知事(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

ロビンソン・ファリア北大河州知事(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 15日朝、連邦警察が全国規模で三つの作戦を展開した。15日付現地紙サイトが報じている。
 最初の「ハマー・オン作戦」では、パラナ州、サンパウロ州、エスピリトサント州、ミナス・ジェライス州、サンタカタリーナ州で2人が逮捕、17人が一時逮捕された他、強制連行と事情聴取53件と家宅捜査・物件押収82件の令状が出、敢行された。
 これは2012~16年に起きたパラグアイなどからの薬物やタバコの密輸に関する捜査で、架空会社の口座などを使って不正な金57億レアル超が動いたとされる。
 また、リオ市役所も絡むと見られる汚職捜査も行われた。これはリオ州を対象としたカルカッタ作戦やポント・フィナル作戦にも関連している。
 この捜査で対象となっているのは、エドゥアルド・パエス前市長(民主運動党・PMDB)の右腕的存在だったロドリゴ・ベスレム氏だ。
 べスレム氏は、同州のバス会社連盟(Fetranpor)に関する汚職捜査ポント・フィナル作戦に関与した疑いが持たれている。警察は、同作戦で逮捕された連盟会長のレリス・テイシェイラ容疑者やバス王のジャコブ・バラタ容疑者らが携帯電話などで交わした会話や文書から、ベスレム氏が仲介役を果たしていた可能性が高いと見ている。ベスレム氏は州政府局長を務めた後に、パエス氏の下でリオ市社会福祉局長に就任。マルセロ・クリヴェラ現市長(ブラジル共和党・PRB)の選挙参謀も務めた。1月には同氏が現副市長に対する苦情を書き込んだメッセージを流した直後にバス代が調整されており、現市政での汚職への関与も疑われている。
 三つ目は、北大河州でのアンテロス作戦で、ロビンソン・ファリア知事(社会民主党・PSD)が自宅や別邸の家宅捜査を受けた他、知事補佐官で、州議会都市計画コーディネイターのマガリ・クリスチーナ・ダ・シウヴァ氏と、アデウソン・フレイタス・デ・レイス弁護士が逮捕された。
 今回の捜査は、2015年に敢行されたダマ・デ・エスパーダ作戦に関連する捜査だ。同作戦では2006~11年に同州議会で展開されていた架空職員を使った資金の横流しが摘発されたが、ファリア知事は、2003~10年に州議会議長を務めており、疑惑関与が疑われた。また、同知事は、15年の作戦で逮捕され、司法取引を行おうとした被告の口封じを試みたともされている。