大耳小耳

 日毎叢書企画出版の『楽書倶楽部』第39号が8月に刊行された。「間嶋稲花水さんのこと」(伊那宏)では、戦後コロニアの現代俳句界を支え、6月4日に85歳で大往生した間嶋さんのことを顕彰。俳句界の登竜門と言われた「角川俳句賞」で1961年に入選(佳作)した実績などを紹介している。「父と力道山」(末定いく子)では、NHK連続ドラマ「ひよっこ」から連想した思い出話が語られる。子供の頃、父に連れられて宮城県の辺鄙な山村・小牛田から鈍行電車で12時間かけて上野駅に出て、《商店が連なるアーケード通りを散策しながら、店頭に並ぶ商品の豊富さに驚き、大音響を放ち客引きする店先に、奇声を上げて群がるおばさん族に圧倒され、山村住まいの私は異次元に放たれた気がした》との感想。今号も38編の読み応えあるコラム集。問い合わせは同企画出版(11・3341・2113)まで。