新文化施設Sesc=サンパウロ市セントロ地区にオープン=13階建てのモダンな建築=屋上に眺望楽しめるプールも

Sesc5月24日街の外観

Sesc5月24日街の外観

 ブラジル各地に存在し、セスキ(Sesc)の愛称で親しまれている調査・教育・文化施設が、サンパウロ市セントロ地区の5月24日街に、19日よりオープンすると、18日付現地各紙が報じた。
 Sescは正式名称を「社会商業サービス」といい、企業の従業員や家族向けのサービスを担当する非営利目的の民間組織で、教育、保健、レジャー、文化サービスは一般公開されている。
 他のSescでもおなじみの劇場、カフェ、図書館や講演用ホール、レストランの他、展示会用スペース、歯科、オープンエアーのプール(屋上)も備えた、現代的な13階建てのビルは、著名なブラジル人建築家のパウロ・メンデス氏の設計で、ガラスをふんだんに使っており、建築物としての魅力も備えている。
 「サンパウロの街がこの建物の中に入って行き、この建物も街の中に溶け込んでいく」と語るのは、サンパウロ州内全21市にあるSescを統括するダニーロ・デ・ミランダ氏だ。
 サンパウロ市立劇場や共和国広場にほど近いこの施設のオープンを記念して、19、20の両日は多くの無料文化イベントが開催される。
 特筆すべきは、女優フェルナンダ・モンテネグロによる、「ポル・エリ・メズモ」(ジャブチ賞作家の故ネルソン・ロドリゲス著)の朗読だ。この朗読は19日午後7時からと、20日午後4時からの2回、216人収容の劇場で行われる。(入場は無料)
 新しいSescの地上階は、建物の角に隣接するドン・ジョゼ・デ・バロス街と5月24日街の双方から行き来できる広場になっており、車イス利用者が階を移動するためのスロープも設置されている。
 新Sescの目玉となる、屋上からの眺めが楽しめるプールは400人が同時に利用できる。寒く、雨も戻り始めたこの季節は活躍の機会が限られるが、今後、夏に向けて人々を楽しませてくれそうだ。
 Sesc開設のほぼ1カ月後の9月20日は、サンパウロ市パウリスタ大通りにもう一つの文化施設、インスティトゥート・モレイラ・サレスがオープンする。
 パウリスタ大通りには4月末にジャパン・ハウスも開館しており、サンパウロ市は現在、文化施設のオープンラッシュといった様相だ。
 Sesc5月24日街の所在地は、5月24日街109番で、最寄りの地下鉄駅はレプブリカだ。電話は11・3350・6300で、開館は月曜~土曜が午前9時から午後9時まで、日曜・祝日は午前9時から午後6時までとなっている。