《ブラジル》小禄田原字人会が百周年=一世紀の移民史描く寸劇も=2つの字だけで1千人渡伯

(左から)与儀会長、上原実行委員長

(左から)与儀会長、上原実行委員長

 小禄田原字人会(与儀昭雄会長)は『小禄田原字人移民100周年記念式典』を27日午前10時より、サンパウロ市の客家会館(Rua Sao Joaquim, 460, Liberdade)で開催する。
 「小禄字」と「田原字」は現在の沖縄県那覇市の一部。第2次大戦の沖縄戦では、「砲弾の雨が降った」といわれるほど米軍の艦砲射撃を受けた地区であり、戦後移民も多く渡った。
 両地区は戦前、12の字からなる「小禄村」の一部だった。今回は小禄村全体ではなく、この2字出身者の式典となる。
 この2地区から渡伯した移民は戦前戦後併せて約千人と見られており、現在は子孫を含めておよそ5千人に増えている。
 ボリビアからブラジルに再移民した同字出身の照屋弘氏を中心に67年に同字人会を設立し、移住50周年式典を実施。その後、70年以降は5年ごとに式典を行い、95周年には使節団25人を含め600人以上の出席者を迎え盛会となった。
 今式典では、午前10時から慰霊法要、正午から記念式典、午後2時半から歴史劇が行われる。移住以前に同字で行なわれていた歌や踊り、移住後に郷愁に駆られ作曲された歌など、一世紀に及ぶ同字人の移民史を壮大に描くものになる予定。
 また、85歳以上の高齢者70人に対する表彰が行なわれるほか、現地沖縄からはおよそ50人、ハワイからも10人近くのウルクンチュが駆けつけ、来場者は1千人を見越す。100周年記念事業としては、翌年に向けて記念誌発行を予定しており、現在、家族名簿制作のため調査を行っているという。
 案内のため来社した与儀会長、上原テリオ実行委員長は、「盛大に100周年の節目を祝います。小禄田原字出身の方は、ぜひ参加して下さい」と同郷者へ来場を呼びかけた。