ガンソがセヴィージャで得点=かつてのネイマールの頑固な相棒

 現在、ネイマール(PSG)が世界屈指のスター・プレイヤーとして大活躍中なのは世界中のサッカー・ファンが知っていることだが、かつて彼と名コンビと称され、共に期待されたのに、彼の名声の影に埋もれがちになっていた男が、27日のスペイン・リーグの一戦で活躍した。
 パウロ・エンリケ・ガンソは、2009年から11年にかけて、当時、サントスのチームメイトだったネイマールと共に「明日のブラジル・サッカー界を担う存在」と呼ばれていた。21歳だった2010年のW杯で、当時18歳だったネイマールと共に落選した際は、ゲームメイカーだった彼の方が落選を惜しまれたほどだった。
 ガンソは2010年のW杯後、しばらくはセレソンにも召集されたが、故障が相次ぎ、思うようなプレーが出来ない間にネイマールとの差が広がり、サントスが2011年にリベルタドーレス杯で優勝し、クラブ・ワールド・カップでも準優勝した頃には、ネイマールばかりが騒がれるようになった。
 その後、ガンソはサンパウロに移籍したが、そこでのプレーは好不調の激しかった。元来、走る量の少ないプレー・スタイルが批判の的にもなりやすかったが、本人がそれを直す気もなく、その一方で、時折、非凡な判断と高度なテクニックで勝利に貢献すれば、「やはり天才」と騒がれるといった具合で、セレソンにも時折召集される程度の活躍を続けた。
 そんなガンソも2016年の前半は調子のよいプレーが続き、サンパウロのリベルタドーレス杯準決勝進出に貢献すると、27歳にしてようやく欧州競合からオファーがかかった。それがスペインの名門セヴィージャだった。
 だが、16年後半からのシーズンは、当初こそ先発起用されたものの、ガンソの希望するトップ下やインサイド・ハーフではなく、第2ボランチとしての出場だったために、当時のサンパオリ監督と衝突。次第にガンソ自身から試合出場を拒む日も続くようになった。
 17年前半にシーズンが終わり、スペイン・リーグでの出場数も10試合に終わった時点で、ガンソも移籍ではと思われたが、監督が交代したことで吹っ切れたのか、オフの試合には積極的に出場した。
 17年後半からのシーズンは、チャンピンズ・リーグのグループ・リーグ行きをかけるセヴィージャのBチーム的な扱いでスタートしたが、スペイン・リーグでのインサイド・ハーフで先発出場を勝ち取った。
 27日の対ヘタフェ戦はリーグ2試合目となったが、ここでも先発出場。この日のセヴィージャは一方的に押される展開だったが、後半38分、ゴール前に判断よく入り込んだガンソが、メルカドからの右からのクロスにダイレクトに合わせてシュート。これが決勝点となり、チームは1―0で勝利した。
 「僕のサッカー人生で大事な一日がまた出来た。ここまでオフの親善試合のときから準備してきたことがうまくできた。もっと良くなってチームに貢献できるようがんばるよ」とガンソは終了後のインタビューで答えた。
 セヴィージャはチャンピオンズ・リーグのグループ・リーグ参加が決定したため、しばらくはスペイン・リーグの試合でのゲームメイカー的な役割を任せられることが続きそうだが、好プレーを続けて、チャンピオンズ・リーグのような大きな試合でも欠かせない存在になることに期待したいところだ。(27日付グローボエスポルテなどより)