サンパウロ州軍警=エリート部隊隊長が、「所変われば対応変わる」と発言=アウキミン知事が異例の火消し会見

 ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は25日、場所がどこであろうと、同じ方法で、同じ言葉遣いでサンパウロ州の軍警は取調べを行うと述べたと26日付現地紙が報じた。
 これは、前日の24日に、サンパウロ州軍警のエリート部隊である巡回機動隊(Rota)隊長のリカルド・アラウージョ氏が、「場所が変われば人の気質も違う。警察は現場に対応して振る舞いを変えなくてはいけない。サンパウロ市内辺境地で取調べをする場合は、高級住宅地でやるように市民を慇懃に扱っても調子付かせるだけ」と発言したことの火消しの意味を持っている。
 アウキミン知事は、「アラウージョ隊長は私に発言の真意を説明した。警察は常に厳しい行動規範に従い、市民への敬意を忘れない。取調べ現場がどこであろうと、同じ振る舞いをする」とした。
 軍警広報は24日に行われた地元紙の電話取材に対し、「アラウージョ隊長は、反響に対して遺憾の意を表している」と返答した。軍警は同日夜、アラウージョ隊長の弁明の言葉も発表した。
 そこでの同隊長の言葉は、「取調べに際しては、Rotaに限らず、軍警全体で行動規範が定められている。どこであろうともそれは同じ」というものだ。
 サンパウロ州警察に対するオンブズマン(苦情申立人)のジュリオ・セーザル・ネーヴェス氏は25日、サンパウロ州保安局宛に、アラウージョ隊長の発言に対して慎重な対応を求める書簡を送ると共に、軍警監督局に対しても「同隊長の発言は軍警の行動規範に違反しているのではないか」との公式質問を行った。