《ブラジル》セクハラ訴訟が減少気味=経済危機で失業が増える中

 経済危機の最中、失業への恐れなどから、女性たちによるセクシャル・ハラスメントに関する告発が減少気味だと、28日付現地紙が報じている。
 セクハラに対する訴訟は、マリア・ダ・ペーニャ法の定着や、フェミニズムの運動の盛り上がりなどもあり、2012年以降、飛躍的に増えていた。検察が行ったセクハラに関する告発数も、2012年は146件に過ぎなかったが、翌年以降、172、203、250件と伸びていた。
 だが、130万人分の雇用喪失が起きた2016年には、これが248人と微減した。今年も7月末現在で144人で、現状のペースのままだと、通年でも若干減少という計算になる。
 同紙の調査によると、女性の被雇用者へのセクハラは、男性の上司から性的関係を持つことを求められる、胸などに触られる、性器を押し当てられる、他者の面前で身体的な特徴について声高に言われるなどのケースが多いという。
 ただ、訴えを起こすとなれば、仮に有罪を勝ち取っても、その場合は企業側が賠償金を払うことになるため、企業側との関係が気まずくなり、職場をやめざるをえない可能性も同時に抱えることになる。
 また、女性たちがセクハラの訴訟を恐れる理由として、男性側からの報復で、さらなるハラスメントが行われることへの恐れもあるという。