東西南北

 数日前、本欄で「ジャノー長官の任期が終わる前にJBSショックを超える衝撃は出てくるか」と書いたが、その時点では、ジョエズレイ氏のデラソンを根本的に崩しかねないものが自爆的な形で浮上することを予想できた人はほとんどいなかったのではないだろうか。ただ、かねてから、国民の中にも「ジョエズレイ氏はあれだけの悪事を働いておいて何故野放しに?」と思っていた人は少なくなかった。そう考えると、その影に元ラヴァ・ジャット担当の検察官の存在があり、彼ゆえにデラソンが了承されやすくなった、というのは論理的に合点がいく。今後のラヴァ・ジャットやデラソンに大きな影を落とさなければ良いが。
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 テメル大統領がJBSショック直後に、ミレール元検察官の存在を指摘したとき、世間の反応は冷ややかなものだったが、皮肉にもそれが立証されてしまった今回の一件。大統領関係者は一様に喜んでいると伝えられているが、浮かれるのが早いことも事実だ。予想される大統領への2度目の告発は、ジョエズレイ氏とは関係のない一件だ。元側近のジェデル氏が借りていたアパートでは大量の隠し現金発覚。関連付けが可能な疑惑はまだまだ浮上している。
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 こうしたスキャンダルの際こそ、メディアは腕のふるいどころだ。だが、別に犯罪性があるわけでもないのに、「録音で名前が言及された」と大々的に報じられた最高裁判事らは気の毒だ。詳しく読めば事実はわかるものかもしれないが、世の中には見出ししか読まずに物事を判断しかねない人が多いのも事実。配慮も必要では。