『NHK短歌』を視聴しよう!=マルシアが移民短歌を紹介

来社した上妻さん

来社した上妻さん

 日系人歌手マルシアさんの目に止まり、本紙歌壇で選者を務める上妻博彦さん(84、鹿児島)の短歌が、17日午前6時(日本時間)からNHKEテレで放送される番組『NHK短歌』内で紹介される。
 今回紹介されるのは、「移民らのもたらしし柿この国の秋は五月と違わず熟す」―。「この国の気候風土の中にあっても、柿は柿で在り続けて欲しい」との移民一世らしい上妻さんの願いが込められた一首。第10回海外日系芸能祭で角川編集部賞を受けた作品だ。
 それを偶然見つけたのがマルシアさん。苦難の末、柿の品質改良に成功した一世の祖父・西家佐登里さんの姿を重ねたと言い、「ぜひ番組で紹介したい」との強い意向により、取上げられることになったという。
 番組制作の現場で働く上妻さんの弟が奇遇にも番組関係者と繋がりがあったといい、上妻さんは、「本当に不思議なご縁で驚いている」と率直に喜びを語り、感謝の気持ちを込めて、マルシアさん宛てに以下の即詠三首を詠んだ。
 「歌壇には不向きのはずのわが歌に心をよせしマルシヤを思う」「柿の里モジ生まれの歌い手に今ぞ贈らんムイトス・アブラッソス」「わが歌をみとめしマルシヤ日系のバイリンガルの旗手とぞなれ」
 放送は16日午後6時から25分と、再放送は19日午前3時から25分の2回。詳細は同サイト(http://www4.nhk.or.jp/nhktanka/)まで。