ロラパルーザが出演者発表=来年3月の注目の出演者は?

 ロック・イン・リオが終わったばかりのブラジルで27日、今度はサンパウロが誇る国際ロック・フェスティバルで、今年は20万人の観客を集めたことで話題を呼んだ「ロラパルーザ」が、来年3月のラインナップを発表した。
 ロック・イン・リオが、いわば「ロックに関心のない人でも知っている」タイプの、既に知名度が確立したアーティストを呼ぶことで知られる存在なら、ロラパルーザ(以下、ロラ)はさしずめ、「ロックやエレクトロ、ヒップホップなどの最近の流行を知りたい人が行く」タイプのイベントだ。
 そんなロラも、来年は、インテルラゴス・サーキットに会場を移転してから初めての3日間開催となる。そのため、主催者側も最近、「過去最大規模になる」と、大きな宣伝を行っていた。
 そんな注目の回のトリをつとめるのは、今年のロック・イン・リオでも大トリだったレッドホット・チリ・ペッパーズ(レッチリ)にパール・ジャム、そしてザ・キラーズの3組だ。ブラジルのロラでは初出演(チリとアルゼンチンには14年に出演)のレッチリは70、80年代のバンドが目立つロック・イン・リオでは若者向けの部類だったが、ここでは貫禄の大物だ。パール・ジャム、キラーズは13年に続いて2度目のトリとなる。
 そして、毎年、生きのいい若手が並び、ある意味でトリ以上の注目度を集める準トリには、現在の若手バンドで世界でもトップ人気のイマジン・ドラゴンズ、カリスマ的女性人気歌手のラナ・デル・レイ、エレクトロ・ロックのLCDサウンドシステム、今年のグラミー賞で最優秀新人賞受賞のラッパー、チャンス・ザ・ラッパーが並んでいる。
 ロックでは他に、イギリスの大物バンド、オアシスの元ヴォーカルのリアム・ギャラガー、パワー溢れるサウンドで人気の2人組バンドのロイヤル・ブラッド、米国のオシャレな大人に人気のあるバンドのザ・ナショナル、80年代のサブカルチャーのカリスマ、元トーキング・ヘッズの中心人物デヴィッド・バーンなどが目立つ。
 また、今年のロラでは黒人アーティストも目立つ。ラッパーでは前述のチャンスのほかにもタイラー・ザ・クリエイターやウィズ・カリーファなどの人気者が並び、シンガーでは今年話題の新人のカリードが名を連ねている。
 エレクトロではDJスネイクやカイゴといった、いずれも近年のダンス・ミュージックの流行である「トロピカル・ハウス」「トラップ」の代表的アーティストが出演し、毎年、「ロックのステージよりも熱いのでは」とも言われているエレクトロの会場を盛り上げてくれそうだ。
 また、ブラジル国内勢も、現在はちょっとしたバンド・ブームが起こりそうなタイミングでもあるだけに、例年より充実している。ゲイのカリスマ・シンガー、リニケル率いるリニケル&オス・カラメロウズをはじめ、プルトン・ジャー・フォイ・プラネッタ、セウヴァージェンズ・ア・プロクーラ・ダ・レイ、フランシスコ・エル・オンブレスといったバンドの出演はブラジルのうるさ型の批評家の間でも話題となっている。
 今回のロラパルーザの開催は3月23~25日。チケットの販売は、アーティスト発表のあった10日ほど前から既にはじまっているが、今年の場合、後援主催のTF4が関連している子供のための慈善団体に30レアル寄付すれば入場料が半額になる、というユニークな発売方法でも話題となっている。