石川県人会創立80周年=「ブラジル移民は県民の誇り」=副知事ら慶祝団と家族会15人=270人が記念の日祝す

(左から)竹中副知事、森永会長、関口首席領事、米澤議長

(左から)竹中副知事、森永会長、関口首席領事、米澤議長

 ブラジル石川県人会(森永正行ジェラルド会長)は、『ブラジル石川県人会創立八十周年 石川県人移民上陸百周年 石川県人会館二十二周年記念式典』を8日、サンパウロ市内のクルービ・オムスで開催した。母県から慶祝団として竹中博康副知事や米澤賢司県議会議長ら10人と、石川県海外移住家族会(中西伸一会長)ら5人が出席。県に縁のある約270人が一同に会し、晴れの日を祝った。

 式典は小堀勇ジェラルド相談役の開会の辞で幕を開けた。先没者の霊に黙祷が捧げられ、日本・ブラジル両国歌斉唱が行なわれた。
 来賓紹介の後、挨拶に立った森永会長は、先人が苦労を乗越え、子弟教育に力を注いだことを称賛。また、「37年の県人会発足以来、母県との連絡を欠かさずに続けてきた」とし、母県との紐帯の強さを強調した。
 その後、谷本正憲知事のビデオメッセージが映し出され、記念日を祝すと共に、「ブラジル国内における皆様方への高い評価は、石川県民にとって大きな誇り」とし、県人会員へ敬意を表した。
 また、式典前日には、母県から陶芸と家庭料理の講師が派遣され、同会館で講習会も実施。谷本知事は「これからも次の時代を担う青少年の相互交流など県人会との交流を積極的に進めて行きたい」と語った。
 続いて、関口ひとみ在聖総領事代理、川合昭日系三団体代表、ジャパン・ハウスの平田アンジェラ多美子館長が祝辞を寄せた。
 平田館長は、両親が石川県出身の2世。「祖父からは日本との繋がりを忘れてはいけないと常々教えられ、自らも館長として日伯の絆を深めることを目指している」と話した。
 続いて、石川県から県人会に激励金が贈呈され、記念品を相互に手渡した。竹中副知事からは特別功労者の竹下義康相談役(84)に、米澤議長からは功労者の橋本アルナルド繁理事と高齢者代表の長田光夫さんに感謝状と記念品が贈呈された。
 また、同県人移民百周年を記念し、米澤議長から、1917年に移民した三家族の子孫の安田イツエさん、沢田ヒサコさん、長谷川山岸キヨさんに記念品が贈呈された。
 留学生、研修生、青年交流を代表して謝辞を述べた清丸たみイージさん(26)は、07年青少年育成事業と11年短期日本語研修に参加し、母県から補助を受けて滞日。母県からの支援に感謝すると共に、今後もこれら制度の継続を要請した。
 記念祝賀会では、ケーキカットと鏡開きが行なわれ、会場は祝福ムードに包まれた。新星ACALによるYOSAKOIやサンパウロカーニバル優勝チームによるショーなどが披露され、来賓も踊りに参加するなど大いに盛り上がった。
 式典後、森永会長は「式典は成功したと思う。これも青年部や婦人部が今年の初め頃から準備に取り掛かってくれたおかげ」と会員に感謝の意を示し、「県人移住100周年に当たって第一回目移民の子孫が出席してくれて良かった」と笑顔で話した。

 

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 石川県人会の記念式典では、この手の式典でお馴染みのサンバショーが披露された。舞台から降りてきた女性ダンサーが日本からの来賓に一緒に踊るように誘い、来賓はそれを恥ずかしそうに断る。これもお馴染みの光景のはずだが、竹中副知事と米澤議長は誘われるがまま立ち上がり、踊りの輪に入っていった。竹中副知事にいたっては途中で「休憩!」といって少し休んだ後、また自ら踊りに混ざっていく。終始雰囲気よく幕を閉じた本式典。来賓らの積極性にも拍手!?
     ◎
 県費研修生などを代表して謝辞を述べた清丸たみイージさんは、「石川県人会の青年会は団結力が強い!」と豪語。「10月のビンゴ大会は青年会が指揮をとって開催している。大変だけど、交流が生まれ友達が増えます」と笑顔で話した。県人会活動に参加するようになったのは親から促されたのがきっかけだが、今では楽しんで活動しているよう。子供ができたら県人会活動に関わらせるか尋ねると、「絶対やらせる!」と即答。「私がやったんだから、子供にもしっかりやってもらわないと」とのこと。同県人会、少なくとも次世代までは安泰かも?