サンパウロ州アラサツーバ=現金輸送会社また襲われる=警察の動きも計算して襲撃

 サンパウロ州北西部アラサツーバ市で16日未明、武装集団が現金輸送会社プロテージを襲い、現金を強奪。軍警司令部なども襲撃され、市警1人が死亡したと17日付現地紙が報じた。

 サンパウロ州内陸部では2年足らずの間に5回目となる現金輸送会社襲撃は、小銃や機関銃といった重火器で武装した約30人の集団による計画犯罪だ。

 犯行は軍警が交代した直後に発生しており、一つのグループが州内陸部を担当する軍警司令部を銃撃して警察の出動や追跡を妨害する間に、別のグループが輸送会社を襲撃。爆発物で金庫を破壊し、現金を奪い去った。奪われた現金の額は明らかにされていない。

 軍警司令部を襲ったグループは、司令部前の道路の両側でトラック2台に放火後、火に覆われたトラックの背後から小銃や機関銃を乱射。燃え盛る炎が送電線や電話線を焼いたため、周辺地域で停電が起きた他、警官同士の連絡もままならない状態が生じた。

 激しい銃撃で足止めされ、外部との通信も不自由となった軍警は、携帯電話などで連絡を取り、近隣の市の警察の応援を乞うたが、武装集団の一部はトラック運転手1人を制圧し、マレシャル・ロンドン522キロ地点にある道路警察の傍の車線を塞がせた上、ビリグイ市に繋がる道路やチエテ川にかかるプラド川橋も封鎖。応援の警察の動きや追跡が妨害された。

 犯人達が使用した爆発物の威力は相当で、社屋の壁などが崩れた他、近隣家屋の床が揺れて、窓ガラスが割れるといった被害も出た。

 輸送会社周辺では路上に停車していた車にも弾痕が残っていた他、軍警司令部の傍に住んでいた非番の市警(37)が、事件発生を知って現場に駆けつけ被弾。病院に運ばれたが死亡した。足に被弾した女性と金属片で腹部にケガをした女性各1人は、手当てを受けた後に帰宅した。

 プロテージ社によると、同社従業員や警備員は無事だったという。警察は現在も、武装集団を特定する作業と捜索を継続中だ。